警察官や消防士、自衛隊など危険性の高い業務に精励した人に贈られる第41回危険業務従事者叙勲の受章者が決まった。日高地方から瑞宝双光章に警察功労でみなべ町西本庄182の5、元県警部の谷本倫夫氏(73)と、同町東神野川812、元県警部の西政雄氏(73)。瑞宝単光章に警察功労で日高町原谷205、元警視庁警部補の新家和夫氏(73)の3人が選ばれた。11月上・中旬に各省庁、県庁で伝達、その後、東京で拝謁。県下受章者は32人で今回を含めて1101人。
瑞宝双光章 谷本倫夫氏
昭和43年に県警に採用され、串本署を皮切りに白浜署、田辺署、和歌山西署で勤務。平成22年に御坊署で定年を迎えた。主に交通畑で地域住民の交通安全に尽くした。
交通事故の現場に駆けつけ、何度も悲惨な現状を目の当たりにしてきた。「当事者をはじめ、家族や友人も本当にみんな精神的に辛い」とおもんぱかる。「そんな思いは誰ひとりしてほしくない」と交通安全、事故の未然防止へ職務を全う。地域住民に交通ルールの厳守と安全意識の向上を呼びかけてきた。「昔と比べて事故は本当に少くなくなったと思います。飲酒運転は激減、シートベルトもほとんどの人が着用し、速度超過、一旦停止などあらゆる違反とも少なくなった気がします。皆さんの交通意識が高まったのだと思います」と話す。
谷本氏の話 先輩や同僚、地域の方々の支えはもちろん、家族の理解と協力のおかげで無事に務められたと感謝しています。
瑞宝双光章 西政雄氏
昭和43年4月に県警察官を拝命。振り出しは新宮署で、県警本部で交通機動隊を務めたあと、和歌山東署、田辺署、串本署、御坊署とまわり、白浜署で平成22年に退職するまでの42年間、ほとんどを交通畑で勤め上げた。
昔は今よりも事故が多かったと話す。田辺署では龍神村や大塔村など奥地には、より急いで出動しなければならなかったり、帰ってきた頃に再度出動するケースや、死因が分からず、正月に解剖したりすることも。坂道に止めた自身のトラックが動いて轢かれて死亡するなど悲惨な交通事故も思い出されるという。
違反者の取り締まりで文句を言う人もおり、ルールを守ってもらえるよう、根気よく話すしかないとの強い気持ちで対応。長年、地道な取り締まりを続けた。
西氏の話 非常に名誉で光栄なこと。上司、先輩、同僚、地域のおかげで続けてこられ、受章できたと思います。
瑞宝単光章 新家和夫氏
御坊商工を卒業後、航空自衛隊や海上自衛隊に入隊したが、警察官である伯父の影響を受け警察官を志し、昭和46年9月8日、警視庁巡査を拝命した。目黒区の碑文谷署、大田区の蒲田署、立川署、世田谷区の成城署、八王子署、調布署で勤務。39年余りを交番で勤務した。自転車やバイク、徒歩で住民の安全を守るために一晩中、パトロールすることもあった。
20代前半、パトロール中に不審者を発見。裸足で走っていたため、取り押さえて、周辺に聞き込みをしたところ、女性に暴れられて逃げたことが判明し、強姦未遂の容疑で緊急逮捕。この功績が認められ、警視総監賞を受けた。
町の人とのコミュニケーションを大切に、町の安心安全のため、巡回連絡も続けた。
新家氏の話 生きているうちにいただけてありがたいです。家族や仲間のお陰です。家族に喜んでもらえるのはいいことです。
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