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県、県医大らが日高川町上空をドローンで医薬品配送実験 〈2023年10月25日〉

2023年10月25日 08時30分00秒 | 記事


偽薬を積載した航空機型のドローンが
入野を離陸して美山へ


 日高川町は23日と24日、県や県立医大、NTTコミュニケーション、医療総合商社の(株)ケーエスケーとともに、ドローンと自動配送ロボットを使い、医薬品を長距離配送する実証実験を実施した。下流の入野集落センターから保冷ボックスに入れた偽薬を積載したドローンが日高川上空を中心にしたルート約21キロを飛行し、同町役場美山支所に隣接する川上診療所まで届けた。将来的に山間部のへき地や災害時に陸送が困難な緊急時の医薬品配送の社会実装をめざす。

 県立医大とNTTコミュ、ケーエスケーの3者は、今年3月に和歌山市内で県下初のドローンを用いた医薬品の短距離配送実証実験に成功。同実験を踏まえた次のステップとして、過疎地域の物流網にとって有効な手段と期待される個人宅までの配送を含めたラストワンマイル配送(最終地点まで)の長距離医薬品配送の実験を実施した。 
 国交省の「無人航空機などを活用したラストワンマイル配送実証事業」を活用。全長約1・2メートル、幅2・15メートル、最大積載量1キロの航空機型をした「エアロボウイング」と呼ばれるドローン内部に偽薬を入れた約20センチ四方の特殊な鍵付き保冷ボックスを装着して離陸。ドローンは主に日高川上空に沿った飛行ルート約21キロを平均時速約60キロのレベル3相当で自動飛行し、約20分後に配送先の模擬拠点となる役場美山支所に隣接する川上診療所まで届けた。その後、個人宅配を想定して自動配送ロボットを使い、模擬拠点の役場美山支所へ届けて久留米啓史町長が偽薬を受け取った。
 ドローンは最高点で上空約450メートルを飛行し、気温や衝撃など実験で得たデータをもとに事業継続運用が可能なモデルを解析するほか、医療品の受け渡し方法、配送中の品質保持、地域住民の受容性や利便性を確認。人口減少や高齢化に伴う地域医療の問題解決や災害時における空路を活用した物流網の維持貢献、災害時に同様の課題を持つ県内他地域への展開可能な実装を目指す。


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