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元県警視の亀井泰久氏(日高町)に危険業務従事者叙勲 〈2022年10月9日〉

2022年10月11日 08時30分00秒 | 記事


当時の思いを振り返る亀井氏


 警察官や消防士、自衛隊など危険性の高い業務に精励した人に贈られる第39回危険業務従事者叙勲の受章者が決まった。日高地方から瑞宝双光章に警察功労で日高町比井654、元県警視の亀井泰久氏(73)が選ばれた。国が実施する伝達、拝謁は新型コロナ感染症の状況を踏まえ検討中。県からの上申者は県庁で伝達式を行う。県下受章者は29人で今回を含めて1038人。

 亀井氏は、昭和45年に県警察官を拝命。振り出しは御坊署で、平成6年に警部に昇格すると、湯浅や田辺署で交通課長、交通企画課長補佐、和歌山西署交通課長、交通規制課次席を歴任し、機動隊副隊長を最後に同22年に退職。交通課の20年を中心に刑事課、警備課を経験。人より強いと自負する正義感をモットーに40年間、道路の安全確保や犯罪捜査等に尽力した。好きな言葉は「継続は力なり」。
 交通課規制課では、事故が多い場所などを改良するため、現場での調査や道路管理者との協議に注力。当時事故が多かった水越峠では、雨が降ったときは必ずと言っていいほど事故があったという。亀井氏らは、運転者に自然に減速を促すために道路に減速帯を設置し、大幅に事故を減少させることに成功。渋滞が起こりやすい道路では、渋滞状況を確認し、信号が変わる秒数を図るなど渋滞緩和に努めた。速度規制の見直しや新設、高齢者を対象にした安全講話も行うなど、少しでも悲惨な交通事故を減らすため、全力で取り組んだ。今でも、悲惨な事故があった現場を通ると、当時の光景や、ひき逃げ事件などで3日間も寝ずに仕事をしたことなども思い出される。
 刑事課では和歌山市内などで発生した侵入窃盗事件に携わった。夜中にビルの高層階に住む無施錠の女性宅に侵入にし、金品を盗むなどを繰り返していた犯人に対し、亀井氏らはチームで捜査。張り込みや科学捜査など、現場周辺の不審者を探るなど地道な捜査を展開し、7年掛けて犯人を追い詰め、逮捕した。取り調べでは300件余りの余罪が発覚したという。
 亀井氏は「昔は事故が多かった。ルールを守ってもらい、事故をなくさなければとの気持ちだった。ルールを守ることは自分のためであり、他人のためでもある。違反者の取り締まりをすれば、文句を言う人もいた。でも誰かが言わなければならない。事故がなくなるなら、嫌われ者でもいいと思った」と振り返った。
 亀井氏の話 うれしいです。ありがたいです。非常に名誉なこと。1人で頑張っていただけるものではない。上司、先輩、同僚の方々や、地域にお世話になったおかげです。


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