アフターコロナの健全経営が課題のひだか病院
御坊市外5ヶ町病院経営事務組合議会定例会は29日、ひだか病院で開き、令和3年度決算など2件を承認し閉会した。3年度も病院を挙げた積極的なコロナ対応が国や県の手厚い財政支援につながり、2年度に続いて黒字決算となった。今後はアフターコロナを見据えた健全で安定した病院経営が大きな課題で、病院側は「収益改善に向けたさまざまな取り組みを行い、病院一丸となり健全経営に全力を挙げる」とした。
3年度決算額は事業収益が77億491万8498円、事業費用が71億451万1690円で、差し引き6億40万6808円の大幅な黒字。2年度も10年ぶりに黒字(4億8938万2531円)となっており、2カ年トータルすれば約11億円にのぼる。
第2種感染症指定医療機関として地域住民の安全安心を担保するため、新型コロナ感染拡大初期段階から国や県からの要請に応え、いち早く一般病棟の2階病棟52床(HCU4床含む)すべてをコロナ専用とするなど病院挙げた積極的な対応が、空床確保料や機器購入備品補助金獲得など国や県からの手厚い財政支援につながった。財政支援は2年度が約18億円、3年度が約13億円あった。
3年度の年間入院患者数は9万6719人、年間外来患者数は14万3888人で、2年度に比べ5602人、3003人増。入院はコロナ感染症患者の積極的な受け入れ、外来は感染症疑いを含む発熱など救急受診が増えたことで、それぞれ増収につながった。御坊圏域の医療従事者、構成市町のワクチン接種にも積極的に対応し、地域での感染拡大防止に努めた。
4年度も財政支援で数億円の黒字が見込まれるが、5年度以降は財政支援が終了することを見越したアフターコロナの取り組みが重要。病院の累積赤字は約51億円と、経営は依然厳しい状況にあり「通常診療の中で、いかに公共性と経済性を考慮し、収益改善に向けたさまざまな取り組みを行い、医業収益増による安定した病院経営を行うことが現在の課題」とした。
今後も「すべての職員が経営状況に対する意識を持ち、病院全体が一丸となって健全な病院経営をめざし、地域の中核病院としての期待に応えていきたい。必要な医療を安定的、継続的に提供し、基本理念である『皆様に親しまれ信頼される病院』をめざし、病院長を先頭に努力していきたい」との方針を説明した。
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