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新庁舎建設事業 三浦源吾御坊市長要望に二階俊博幹事長「有利な緊防債適用」支援約束 〈2020年7月18日〉

2020年07月18日 08時30分00秒 | 記事


二階幹事長(中)に要望する三浦市長(右)


 三浦源吾御坊市長は16日、市長就任後初めて上京し、自民党本部を訪れ、二階俊博幹事長に新庁舎建設事業に有利な緊急防災・減災事業債を適用できるよう要望した。同事業債は高台(津波浸水区域外)移転の場合に適用されるが、市は津波浸水区域内の現在地建て替えでも津波対策などを十分に行うことで、適用条件の一つ「高台移転と同等の効果を見込める」をクリアできると、国に柔軟な対応を求め、二階幹事長は全面支援を約束した。適用できれば市の財政負担が約9億円節減できる。

 新庁舎建設事業は現在、公募型プロポーザル方式で一括発注する実施設計、建設、現庁舎解体の業者を選定中。今月30日にプレゼンテーションを行い、8月初旬に最優秀業者を発表し、9月定例議会の議決を経て本契約を結ぶ。実施設計は来年8月まで行い、同年9月に着工。竣工は令和5年7月、供用開始は10月予定。その後、現庁舎の解体、駐車場など外構整備を行い、全事業完了は令和6年10月を予定。
 総事業費55億9000万円のうち、実施設計、建設、現庁舎解体の事業費は53億円(上限)。財源として47億6000万円は市町村役場機能緊急保全事業債を予定しているが、この場合の交付税算入は10億7000万円(算入率22・5%)。これに対し、緊急防災・減災事業債は対象は28億円と少ないものの、交付税算入は19億6200万円(算入率70%)あり、差額の8億9200万円分、市の財政負担が軽減できる。
 この緊防債は高台移転時に適用されるが、適用条件の一つにある「高台移転と同等の効果が見込まれるものであり、想定される津波の高さなどを踏まえた津波浸水対策の実効性が担保される」に着眼し、市は(1)浸水区域外への移転も検討したが、用地確保が難しいなど現在地建て替えが最適との結論に達した(2)1階は南海トラフ巨大地震の津波想定3・5メートル以上とし、津波を受け流すピロティと浸水しても業務継続に影響が少ないエントランスで構成し、2階以上は浸水しない高さにする。
 (3)1階と2階の間は中間層免震構造として強度を確保。上層部に災害対策本部や自家用発電設備などを配置して災害時もライフラインが途絶せず、応急対策や復旧・復興拠点として機能できる(4)住民の一時避難場所を設け、可能な限り十分に備蓄できる倉庫を整備し、屋上には緊急ヘリに対応できるホバリングスペースを設ける-などを行うことで適用条件はクリアできるとし、地域の実情に応じた柔軟な対応を求めた。
 二階幹事長は「御坊市の発展は、私の頭から離れたことはない」と全面支援を約束し、担当の総務省幹部に電話をかけるなどサポート。その後、総務省を訪れ、担当課長への要望を終えた三浦市長は「二階先生からありがたいお話をいただき、本当に感謝しています。課長から『良く考え、改めて返事する』とのことなので、それを待ちたい。感触は非常に良かった」と話し、緊防債適用に大きな期待感を示した。


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