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日高川町 来年秋の国民文化祭で17年ぶり 道成寺二代目釣り鐘が里帰り  〈2020年7月29日〉

2020年07月29日 08時30分00秒 | 記事

 日高川町は27日、来年10月30日から開幕が予定されている第36回国民文化祭・わかやま21(第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)の実行委員会設立総会を農改センターで開催。地域文化発信事業として、京都市の妙満寺に安置されている道成寺の二代目釣り鐘が、平成16年以来17年ぶりに里帰りし、古典芸能や舞台発表などを行う。日程は未定。障害者交流ではダウン症の書家・金澤翔子さん親子の講演を行う。

 設立総会(会長・久留米啓史町長)では、町内各種団体代表者ら委員25人と監事2人を委嘱。同町では、地域文化発信事業として「道成寺釣り鐘お里がえり事業」と、ダウン症の書家・金澤さんの揮毫と母・泰子さんによる障害者芸術・文化祭記念講演会を計画した。里帰りは、二代目釣り鐘を寄進した豪族「逸見万寿丸」の生誕700年に合わせ、妙満寺から移送し、境内で道成寺物などの古典芸能舞台を開き、古典芸能の聖地「道成寺」と日高川流域の文化を発信する。
 道成寺の釣り鐘は、安珍・清姫伝説で、安珍の隠れた鐘を見つけた清姫がその鐘に巻き付き、炎を吐いて鐘を焼き払ったと伝えられる。約400年後の1359年、土生八幡神社に釣り鐘(兄弟鐘)を寄進した「万寿丸」が道成寺にも寄進。道成寺に二代目の釣り鐘ができたことは近畿圏でも大きな出来事で、「鐘楼を再興しようとしたが、供養の時に清姫の怨霊が現れ法会を妨害し、鐘を落としてしまった」内容の能楽や歌舞伎芝居も作られた。
「紀伊州日高郡矢田庄」「文武天皇勅願道成寺」などの銘が刻まれている二代目の釣り鐘(高さ110センチ、重さ約300キロ)が道成寺に戻ることはなかったが、平成17年に北面秘仏・千手観音像の33年ぶり開帳記念行事で里帰りを計画。プレイベントとして前年の10月に妙満寺から約420年ぶりに里帰りして約2カ月間、本堂で一般公開された。
 当時、約3000人が見守る中、女優の牧瀬里穂さんら総勢130人が参加して時代行列や鐘供養を行った。兄弟鐘のあった土生八幡神社を出発し、地元の園児と児童が道成寺までを引っ張り本堂に安置。ジャンジャカ踊りも登場して祝った。同月には、歌舞伎俳優の中村福助さんが、釣り鐘とライトアップされた境内で「京鹿子娘道成寺」の舞を奉納。雨の中、全国から700人のファンが訪れた。妙満寺に戻る道中には「兄弟鐘」がある同町和佐の光源寺に立ち寄り兄弟鐘との初対面もあった。


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