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御坊市 介護保険事業第7期計画総括 「地域福祉深化への礎築けた」 〈2020年7月26日〉

2020年07月26日 08時30分00秒 | 記事


策定委員会初会合で7期計画を総括


 御坊市は22日、市役所で第8期介護保険事業計画(令和3~5年度)策定委員会初会合を開き、執行部が第7期計画(平成30年度~令和2年度)で掲げた重点課題の進ちょく状況を報告した。全国初となる認知症当事者の視点に立った「認知症の人とともに築く総活躍のまち条例」制定、市内6地区への在宅介護支援センター設置、オリジナル体操「GO!GO!GOBO」制作など「地域福祉を深化させていくための礎を築くことができた」と総括した。

 計画では地域づくりや介護予防、認知症施策、医療と介護、権利擁護の各分野で91項目の重点課題を掲げ、認知症施策では「認知症の人とともに生きる希望宣言」と位置づけた「認知症の人とともに築く総活躍のまち条例」を令和元年3月に制定し、4月から施行。当事者に寄り添った市オリジナルの「ごぼう総活躍のまち講座」も実施するなど全国トップランナーとして先進的な取り組みを進めており、平成30年度にNHK厚生文化事業団「認知症にやさしいまち大賞」を受賞した。
 地域づくりでは、日常生活圏域(旧町村単位の6地区)ごとに在宅介護支援センターを設置。地域福祉懇談会も開き、市や地域包括支援センター、在宅介護支援センター、民生委員との連携体制を築いた。地域包括支援センターに市職員の第1層生活支援コーディネーター1人を配置し、第2層に在宅介護支援センター藤田の職員を配置(委託)し、積極的に地域に入ることで困り事など生の声を拾い集め、支え合いの地域づくりに努めている。
 介護予防では市オリジナル体操を制作し、普及啓発を図っているほか、市老人クラブ連合会の協力で「いきいき100歳体操」の普及にも努め、現在14団体が実践中。医療と介護では日高在宅医療サポートセンターを管内1市5町で協働運営し、多職種研修会の企画・開催や社会資源をリスト・地図化した冊子を作成した。権利擁護では高齢者虐待防止ネットワーク会議を設置し、関係機関が参画する地域連携ネットワーク設置も検討している。
 田中孝典介護福祉課長は「メニューを盛り込みすぎたせいで、実効性の伴わないものもあったが、最低限必要な施策は進めることができ、今後、地域福祉を深化させていくための礎は築けた」と総括した。第8期計画に向けては「反省を踏まえ、長期ビジョンと、3年間でやらなければならないことをきちんと精査し、内容を煮詰めていきたい」と話している。

若年層や認知症当事者も参画

来年3月に第8期計画策定へ

 策定委員会は関係団体代表のほか、認知症当事者ら被保険者代表も加わり25人で構成。委員長に丸山晋右氏(日高医師会)副同に清水実氏(市民生児童委員協議会)を選び、執行部が今後のスケジュールなどを説明した。
 委員や市職員の第2号被保険者(40歳~64歳)へのアンケートなどを行い、来年2月にかけて4回の委員会を開き、計画の内容を詰めていく。多様な世代に関心を持ってもらうため、計画の愛称を決めるほか、若年層の参画として地元高校生に計画書の挿絵を描いてもらい、表紙題字は認知症当事者に書いてもらう。
 市介護福祉課は「計画づくりの過程が大事。希望ある未来をつくるため、委員の皆さんとともに『おもしろく、楽しく』計画づくりを進めていきたい」としている。
 第1号被保険者(65歳以上)が支払う現行の介護保険料は6520円(基準月額)。8期計画でも値上げは必至で、7000円の大台を超えるかが焦点。


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