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御坊日高圏域で推進プロジェクトチームチーム設置 〈2020年7月19日〉

2020年07月20日 08時30分00秒 | 記事


介護職の魅力、やりがい、楽しさも発信へ
(写真はスターチス収穫で交流)


 全国的に介護サービス事業所での人材不足が深刻な問題となっている中、御坊・日高圏域でもホームヘルパーやケアマネージャーらの人材確保に苦慮している状況にあることから御坊市が旗振り役となって御坊・日高圏域介護人材確保推進プロジェクトチームを設置し、圏域全体で課題や対策を検討し、人材確保に向けた取り組みを推進する。まずは現場の実態を把握するためのアンケート調査などを予定しているほか、若い世代への啓発、人材育成にも力を入れたい考え。

 将来的に介護保険制度を維持していくためには安定した介護サービスを提供することが必要不可欠で、その中心となる介護人材の確保は喫緊の課題。今から人材不足を解決する手だてを講じていかないと、将来介護を担う人材がなくなることが懸念されている。国が今年度に策定する第8期介護保険事業計画の基本指針において人材確保の記載が充実される予定で、御坊市も第8期計画で重点項目の一つに掲げる方針。
 圏域内には約130の事業所があり、広域的に利用され、人材確保は共通した課題であるため、御坊市だけでなく圏域全体で取り組んでいこうと、御坊市、美浜町、日高町、由良町、印南町、日高川町、御坊市介護サービス事業者連絡協議会、日高振興局健康福祉部(御坊保健所)で御坊・日高圏域介護人材確保推進プロジェクトチームを設置した。8月12日午後1時30分から市役所で初会合を開き、今後の取り組みなどを協議する。
 主に人材確保に係る課題の抽出と分析、介護離職防止に向けた取り組み、介護職の普及・啓発、人材育成などについて調査、研究、議論していく。今年度は2回程度の会議を開き、まずは介護人材不足の現状を把握し、課題の抽出と分析を行うための調査研究の手法(アンケート調査など)を検討するほか、研修会の開催、介護離職防止、地元高校生らに介護職をPRする取り組みなどを協議する。
 全国的に人材不足の要因として「きつい、汚い、危険、くらい」などネガティブなイメージ、賃金が安いなど社会的・経済的評価が低いことが考えられるが、全国調査では介護職を辞める理由として賃金やハラスメントだけでなく、職場の人間関係、法人・事業所の理念が合わないといった精神的な側面も多いという。
 御坊市の田中孝典介護福祉課長は「人材確保は一朝一夕に解決するものではなく、長期的に息長く取り組んでいく必要がある。要介護者等の方々の生活を支える介護職員のステータスはもっと高く認められるべきものであり、介護現場で頑張っている職員のためにも行政の責務として介護職の地位向上、介護保険制度の未来に向け、取り組みを推進していきたい。また、介護職の魅力や楽しさ、やりがいなども積極的に情報発信していきたい」と話している。


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