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日高川の天然アユそ上が平成以降最多、遊漁者数増加に期待 〈2018年4月27日〉

2018年04月27日 08時30分00秒 | 記事

放流した養成親魚が産卵する日高川水中の産卵場


 日高川の天然アユのそ上が今季、平成に入って最多を記録した。昨年、近年まれにみる405万匹のそ上数となったが、今年は24日までに昨季を上回る656万匹を確認した。例年より約2週間早い3月初めからそ上が始まり、ピーク時の4月第1週には1週間で200万匹を超えた。日高川漁業協同組合(大杉達組合長)では、秋に産卵直前の親魚放流を平成23年の水害後に本格的に取り組んでおり、増殖対策の成果が顕著に現れ、遊漁者数増加に期待を寄せている。
  
 今季、日高川漁協では3月12日に天然アユのそ上を初確認し、その後も昨年を上回るハイペースでそ上が続き、ピークを迎えた4月1日から6日までの6日間だけで約200万匹に。日高川町若野の若野堰で魚道を通った稚アユは24日までに569万匹、ダム上流への汲み上げ放流数も87万6000匹あり、合わせて約656万匹となった。
 昭和54年の約1870万匹など昭和50年代半ばまでは1000万匹近い数を記録していたが、平成以降は、平成3年の約630万匹が最高だった。昨年はそれに次ぐ459万匹を記録していたが、今年は約200万匹も上回り、平成3年を抜いて平成以降最多を更新している。
 日高川の天然アユそ上は、平成10年に過去最低の20万匹まで落ち込んだあとも100万匹に届かない悪況が続いたが、平成23年は459万匹まで復活。しかし、その好況を打ち砕くように同年9月、台風23号による大水害が発生。水害翌年の平成24年は前年のわずか16分の1の28万匹に激減した。災害後、日高川漁協では天然そ上の復活に向けて本格的に産卵直前の親魚放流に取り組んだ。特別採捕された県内産の海産稚アユを親魚に養成し、10月末から11月の産卵期に小熊地内の産卵場に放流。その成果が顕著に表れている。
 日高川漁協では「親魚放流の効果以外の天然そ上も増加しており、水害以前の水準に戻りつつある。今年はそ上が多く、遊漁者の増加にも期待したい」と話す。今季のアユ漁は、24日から25日にかけての雨で、5月1日の早期解禁日は椿山ダム下流で濁りが残り、コンディションは良くなさそうだが「天然そ上が多く、7~8月の夏場には大型のアユも」と期待している。


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