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由良町、畑山造船(株)で曳船兼消防船「たか丸」完成 〈2018年4月21日〉

2018年04月21日 08時30分00秒 | 記事

ハーバータグボート「たか丸」


 由良町吹井、畑山造船(株)(畑山彰夫代表取締役社長)が製造した曳船(ハーバータグボート)兼第3種・第4種消防船「たか丸」が完成した。同社初の海上労働条約適用船で日本で3隻目、近畿運輸局管内では初めて。三洋海事(株)=本社・大阪市=の依頼を受けた船で、船員が快適に過ごせるよう広めに設計した居住区を甲板上に設置し、最新の設備も搭載。今月3日に進水しており25日に引き渡される。

「たか丸」は限定近海区域A2水域を航行区域とする。船は全長38メートル、幅9・6メートル、深さ4・5メートル、喫水3・5メートル、総重量284トン、軽荷重量は498トンで水や油などを含む満載重量は700トン。速力は15ノット、曳航力は最大67トン。定員は乗組員7人と旅客12人の計19人。
 主機関はヤンマー(株)製の2基(4400馬力)を搭載、川崎レックス製の全旋回式ダクト付のプロペラを設置し、燃料などのタンク、ワイヤートーイングウインチ、レーダー・潮流計・国際VHF・カラーGPSプロッター・サテライトコンパス・レーダトランスポンダー・双方向無線電話などの計器類や船上には消防作業ができるよう放水銃(7メートル伸縮塔)も備える。
 航行区域が近海区域で船の総重量が200トン以上のため海上労働条約が適用され、船員室はすべて甲板上に設置し、部屋は床面積7・5平方メートル以上、高さ2・05メートル以上の個室。船員が快適に過ごせるよう従来の船室より広いため、設計に苦労したという。甲板の上に設置することで船が安定しにくく全体のバランスをとるのも大変だったようだ。
 昨年8月22日に起工し、さまざまな苦労を経て完成。曳航力などのテストをクリア、試運転も完了し間もなく船主に引き渡しとなる。畑山社長は「船室が広い分、今まで以上に設計しにくく本当に大変だった。いい船ができたと思う」と話した。ハーバータグボートは港での曳航作業や、時には沖縄県辺野古で作業する可能性もあるようだ。
 同社は昭和7年に創業、昭和57年から曳船の製造を開始。高い実績を誇る近畿唯一の曳船製造業者で、こだわりの技術などを持つ企業として県の「1社1元気技術」にも登録されている。


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