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第30回危険業務従事者叙勲、管内から戸根弘氏(元県警部補)唯一人受章 〈2018年4月8日〉

2018年04月09日 08時30分00秒 | 記事

「住民のみなさんに大事にしていただいた」と戸根氏


 警察官や消防士、自衛官など危険性の高い業務に精励した人に贈られる第30回危険業務従事者叙勲の受章者が決まった。日高地方からは唯一人、警察功労で瑞宝単光章に、日高川町千津川5410、元県警部補の戸根弘氏(71)が選ばれた。警察業務に献身的に務め、県民の安心、安全に尽力した。5月に東京や県庁で伝達され、その後拝謁する。県下での受章者は27人で、今回を含めて767人となった。

 戸根氏は高校時代に柔道二段を取得しており、20歳の時に柔道を生かせる仕事がしたいと、県警の門を叩き、昭和40年10月に県警察官を拝命した。その後、41年6カ月にわたり、地域住民の安心安全のために尽力。御坊署を振り出しに、湯浅、新宮、田辺、和歌山西の各署で主に外勤課(現・地域課)で、パトカーや交番で勤務した。特に御坊署勤務が一番長く、通算25年もの間、薗交番、島交番、高津尾駐在所(現・中津駐在所)、名田駐在所などに務め、地域を巡回し、犯罪抑止や事故防止、住民の悩み相談など献身的に職務を全うした。事件事故があればいち早く現場に急行し、状況判断、負傷者の救助、目撃者の確保、被疑者の検挙などに努めた。
 約41年の警察人生を振り返り「生涯忘れることができない」というのは、警察官になりたての20代のころの話。由良町里、国道42号のトンネル付近で、交通事故の知らせを受け、先輩らと4人で現場へ。事故を処理し、当事者を家まで送ったあと、現場に戻ると、警察官の姿を見つけた車両が急にバックし外壁に衝突。戸根氏と後輩は車両の前と後ろで交通整理し、先輩2人が車両の窓から運転手に職務質問していたところ、2トントラックが先輩2人をはねたという。「本当に一瞬のできごとだった」と戸根氏。はねられた先輩2人は殉職。原因は居眠り運転だった。いま、その場所に慰霊碑が建てられている。
 戸根氏は、事故の教訓から「運転手が必ずしも正常な人間で、前を向いているとは限らない」と意識するようになり、後輩にも指導を心掛けた。交番、駐在所勤務の時は「住民に奉仕する」との気持ちを常に持っていた。住民宅を訪問し、困りごとや悩み相談を受けた。「中には何時間も話す人もいたが、それも仕事です」と笑顔で話した。
 戸根氏の話 章をいただけるのは名誉なこと。本当にありがたい。41年間も勤めることができたのは、上司、先輩、同僚のお陰です。何より家族の協力があったからこそ。交番、駐在所勤務が長かったこともあり、住民の方に本当に大事していただきました。


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