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おんぱくプレイベントで小野院主(道成寺)小竹宮司(小竹八幡)対談 〈2018年4月10日〉

2018年04月10日 08時30分00秒 | 記事

がっちり握手する小野院主、小竹宮司(右から)


 14日から5月13日まで日高地方全域を舞台に開催する「御坊日高博覧会(おんぱく)2018」のプレイベント、高校生おんぱく部プレゼンツ「神佛対談」が8日、日高川町鐘巻の道成寺客殿で行われ、小野俊成・道成寺院主、小竹伸和・小竹八幡神社宮司=御坊市薗=が高校生や来場者の質問に答える形で対談。「神仏習合」など専門的な話から普段の仕事、さい銭、おみくじ、大ヒットした映画「君の名は。」に関する質問など、時に真面目に、時にユーモアを交えながら和やかに語り合った。
 
 高校生おんぱく部メンバーが発案、企画運営し、全国的にも珍しい神佛対談が実現。関心も高く、地域住民ら約100人が来場した。普段の仕事内容は小野院主、小竹宮司とも「半分が掃除、半分はお参りの方のお相手」。忙しい時期は小野院主が「お盆。次はお正月。忙しい時期はお酒は控えています」、小竹宮司が「年末年始。次は秋祭りシーズン。大みそかから元旦は一睡もしません」と答えた。
 おみくじは持って帰るべき、結ぶべきかには小野院主は「良い悪いは別にして何回も読み返してほしい」、小竹宮司は「読んで理解し、自分のものにすることが大事」と話し、ともに持ち帰ることを勧めた。
 さい銭の使い道は小野院主が「お寺には10人いる。月給制なので給料に頂戴している」、小竹宮司は「お手当、修繕などに使わせていただいている」と話す一方、小野院主は「大半の住職は学校の先生や公務員など自分の仕事を持ち、その給料をお寺の維持管理に回している」、小竹宮司も「日高地方の神職は一人で複数の社を持っているが、東牟婁地方では多い人で20~30社持っており、無人の宮もたくさんある。氏子から大事にしてもらえる御坊、日高地方は幸せな方」と話した。
 神仏習合では小野院主が「習合はあわせまつるという意味。道成寺も2社4柱をおまつりしている。神代の時代からの歴史を持つ」、小竹宮司は「神道は日本独自の伝統。そこに仏教やキリスト教などが入ってきたが、神様も仏様も同じものとして受け入れるのは日本人にあった考え方。素晴らしい国民性だと思う」。昨年話題になった神社本庁システムでは小竹宮司が「神社庁は各都道府県にあり、それを統括するのが神社本庁。宗教法人の統轄機関。神社本庁システムに入らない神社もある」、小野院主は「仏教にはない。代わるものは本山」。
 院主、宮司になって後悔していることはないかには小野院主は「床屋に行ったり、茶髪にするとかいろいろしたかった」、小竹宮司は「年末年始は忙しいので、引退したら新年のカウントダウンに行きたい」と笑わせた。「君の名は。」のように互いが入れ替わったらどうするかには小野院主が「嫌ですね。(映画のように)やっぱり女の子になりたい」、小竹宮司は「小野さんに電話してお経の読み方を聞きます」と和ませた。
 互いのことについて小野院主は「さわやかな宮司。お父上も宮司さんらしい宮司さんで、紀州新聞の随想同人に入っておられ、拝読させていただいていました。小竹宮司もぜひ同人に入り、連載してはどうか」と勧め、小竹宮司は「私は後輩。私とはレベルの違う見識、知識、博識を持っておられる」と先輩を立てた。
 神のお告げについては小野院主は「お告げのようなものはあると思うが、私には分からないし、その能力もない。能力があるとしたら慎重になった方がいい」、小竹宮司は「神様と氏子を結ぶのが神職の仕事で、あらゆるものに対して感謝することが大事」。厄除けは神社、寺院どちらが良いかには小野院主は「誰も来てくれない。厄年の檀家は土生八幡神社に行っている」、小竹宮司は「どちらも良いところがあり、どっちこっちないと思います」。
 剃髪について小野院主は「頭を剃るより心を剃れと言う意味。自分を飾らないということ」。小竹宮司が「外出時は普段着なので、ほとんど気付かれない。認識してもらえるという意味ではうらやましい」と話すと、小野院主は「私もロマシで気付かれないように歩きたい」。病院に行くときの服装についても小竹宮司は「私は普段着」と話したのに対し、小野院主は「入院病棟にはこの格好で絶対に行かない」と笑わせた。
 来場者は「こういう企画を思いつくところが素晴らしい。高校生でないと実現しなかっただろう」「普段聞けないこと、疑問の思っていたことを聞けて楽しかった」と好評。小野院主、小竹宮司から「また、このような機会を用意してください」と声をかけられた高校生メンバーは「本当にやって良かった」と達成感を感じるとともに、本番のおんぱくイベントに向けて早速準備に取りかかった。


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