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御坊小学校北校舎有効活用へ耐震補強工事完成 〈2016年9月18日〉

2016年09月20日 08時30分00秒 | 記事

耐震補強工事が終わり、屋外階段も設置


 御坊市が、約1億8千万円を投じた御坊小学校北校舎の耐震補強工事が完成した。津波避難対策で屋外階段を新たに設置し、地域住民が屋上(高さ15メートル、広さ700平方メートル)に避難できるようにした。来秋から御坊医療圏域初のファミリー・サポート・センター(子育て援助活動支援事業)を開設するとともに、南校舎にある学童保育「御坊子どもクラブ」を移転させて定員、対象年齢ともに拡充し、地域での子育て支援の拠点として有効活用する。

 北校舎は鉄筋コンクリート造3階建。昭和40年築で耐震度が低く、一時取り壊しを検討したが、耐震補強工事を行い、子育て支援などで有効活用することにした。すでに耐震補強を終えている南校舎と北校舎をつなぐ東西の渡り廊下棟のうち、東棟は耐震度が極端に低かったため、取り壊して地上部に新しい渡り廊下を設置済み。西棟は北校舎とあわせて耐震補強した。市内小中学校の耐震補強工事はこれですべて完了した。
 津波避難対策で北校舎東側に屋外階段を設置し、災害時はドアを破って屋上まで登れるようにし、屋上には転落防止用の手すり(フェンス)も設置。700人以上が避難でき、高い建物が少ない市街地(旧御坊町内)では貴重な緊急避難場所になる。あわせて校舎、体育館の老朽化した火災報知器やスプリンクラーなど消防設備も改修した。
 施工は耐震補強が(株)谷口組=谷口光代表取締役社長、湯川町財部=で契約額は1億4655万6000円。消防設備改修が伸和電設(株)=谷本宗城代表取締役、湯川町丸山=で契約額は2772万1440円。設計監理が(株)岡本設計御坊事務所=佐藤和夫所長、薗=で契約額は771万9840円。
 今後は、北校舎1階の工作室と工作準備室の2部屋をファミリーサポートセンター、図書室と家庭科室、相談室・宿直室、沸騰室・用務員室の4部屋を学童保育に活用する。約3000万円かけて部屋やトイレの改修、駐車場整備などを行う。ファミリーサポートセンターは6月議会、学童保育は3月議会でそれぞれ設計費を計上済み。29年度当初予算に工事費を計上し、29年の夏休みに工事を行い、29年秋から開設する。
 ファミリー・サポート・センターは、子育てをサポートしてほしい人(利用会員)に、支援できる人(スタッフ会員)を紹介する事業で、保護者のニーズも高い。利用会員とスタッフ会員を募り、サポートセンターが仲介し、地域で子育てを支援する。保育施設や習い事の送迎、残業時のお迎えと預かり、発熱時のお迎えと受診、病児の預かり、ちょっとした息抜き-などの際、有料で利用できる。運営は県内で実績のあるNPO法人に委託する。
 学童保育は現在、南校舎1階で「御坊子どもクラブ」を開設しているが、これを北校舎に移転させる。今は1教室を使い、小学1年~3年44人が利用しているが、定員40人を超えているほか、対象年齢拡充のニーズも多いことから定員を90人に増やし、対象年齢を6年生まで拡充する。4教室を1年用、2~3年用、4~6年用の各保育室、職員室として利用する。


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