瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

ゴールデンラッシュ

2010年05月08日 23時36分44秒 | 旅の覚書
お久し振りの記事は、予告通りGW中の箱根の旅について。
家族で行ったんすが、最初自分は行く気無かったんですよ。
ところが母から家族全員で行こうと、ごり押しされたもんで。
実はウチの父がどうも鬱病らしい。
今迄も何度か発病し、父の母(つまり私にとっては祖母)も精神を病んで亡くなってまして、そういう血筋なのかもしれんです。
だとして自分にも、その血が流れてる訳だが…。(汗)
最近父の友人が次々亡くなったのを切っ掛けに、父は笑わなくなり、怒りっぽくなり、元々身勝手だった性格に拍車がかかった。
幸い暴力を奮う事は無いんすが、日がな1日ゴロゴロ寝てる姿見てると宜しくない気がする…という事で、母は気分転換させる為家族で箱根旅行を思い付いたそうな。

結構日が近付いてから予約をお願いした割に、未だ早い時間のロマンスカーは空いていた。
GWだってのに、不景気だから?
旅する理由はさて置き、この季節なら元箱根に在る山のホテルのツツジが満開で綺麗かもなぁと。
最初渋ってたけど、行くとなればワクワクする気持ちが抑えられない。
朝早く起きて新宿からロマンスカーに乗り、先ずは箱根湯本を目指しました。
乗ったのはこの20000形(RSE車)と呼ばれる型、出来れば最新式の60000形(MSE)、通称「青のロマンスカー」に乗りたかったんだけど、時間が合わずに諦めました。
せめてもの思いから、電車を象った弁当を買った。
買ったのは母で、食ったのは弟だが。
値段の割に量がかなり少なく、味もまぁ…だったらしいが、この手の弁当は味より見た目が大事だから然もありなん。
ちなみにロマンスカーの写真が貼ってある小さい丸缶の中身はレモンキャンディーでした。
食後の口直しにどうぞって意味かもしれん。
持ち帰った弁当箱は、洗った後弟の玩具になってます。
弟、現在20代の後半、別に鉄道ファンって訳じゃなく、ただオタクでガキなだけ。

箱根湯本到着後、登山鉄道に乗り換え、強羅に向いました。
箱根の主な乗り物はお得なフリーパスで巡れるのが楽。
説明する必要も無い位有名でしょうが、この電車はスイッチバック方式、つまりジグザグに山を登って進みます。
途中の信号場で停車して、進む向きを逆にするのです。

余談だが、西武秩父行き特急レッドアローも、途中で進行方向が逆になる。
いきなりバックで走り出すっつうのは、慣れてないとちょっと気持ち悪かったり。
母方の田舎が秩父だもんで、逆向きに走ると思い出すのでした。

6月中旬になると線路脇に紫陽花が咲き、「あじさい電車」と呼ばれて人気を博す登山鉄道っすが、私らが行った頃は未だ八重桜が咲いていた。
差し詰め「八重桜電車」っすか、今年は開花時期が狂い捲りな様で、紫陽花もこのままだと7月にピークがズレ込むかも。

約40分かけて電車は強羅に到着、そこから母の希望で強羅公園まで行く事になった。
公園までは坂道がかなり急で、暫く家に引篭もってた父は、疲れて機嫌を悪くしてしまう。
入口近くのベンチに独り腰掛け、上には登らず待って居ると言い出したのです。
仕方ないので父を置き、私と母と弟の3人で噴水が有る最上階まで登る。



↑小高い丘をそのまま敷地にしたような強羅公園は、ツツジにチューリップに八重桜に木蓮と、季節を異にする花が咲き乱れていて綺麗だった。



↑花だけ観てると春なんだか初夏なんだか判りませんわな。

噴水の横に山小屋風のカフェが在りまして、午前11時半迄おすすめメニューが20%割引との看板が出てました。
割引と聞いたら寄りたくなるのが人情。
ベンチで休んでる父を誘って入ろうとしたものの、「俺は入らん」と素っ気無くフラレてしまった。
仕方なく3人で入る事に。



↑店内は中々シックで素敵で御座いました。
この日は陽気が頗る良く、まるで夏の気温。
私らが席に着いたところで、店員さんが風通し良く窓を全開にして下さった。



↑3人ともハーブティーセットを注文、私と母は桜ティー、弟はカモミールティーを選ぶ。
桜ってハーブに入るんだろうか?
カップに注いだ湯は薄ら色が付いている。
ポットの底には桜の塩漬けが沈んでて、後に淹れるほどしょっぱくなってった。(笑)
お茶にはハーブクッキーが付いていて、これが素朴な美味しさでした。
レジで土産としても売ってたです。



↑私が選んだケーキ、モンブラン。
マドレーヌの上に生クリームを絞り、そのまた上にマロンクリームを絞って作られた、スタンダードなタイプ。
今の季節限定でメニューの中に薔薇のシフォンケーキが有ったんすが、未だ焼いてないとの事で残念ながら食べられんかったのです。

お茶を終えて公園内を適当に散策、父と合流してから強羅駅に戻り(別に戻る必要無かったんだけど)、今度はケーブルカーで早雲山へ。
しかしそこで寄り道した事を後悔させる光景に出くわした。
なんと駅から外に食み出すケーブルカー待ちの大行列。
日が中天に昇る正午近くに、約1時間並んだのでした。
まるでディ○ニーランドに来たような、いやGWのランドよりかは大分マシだと思うけど。(汗)
強羅公園寄る前だったら並んでなかったのに、寄り道してゴメンねと申し訳無さそうに母は謝ったが、喫茶に寄ろうと誘ったのは私と弟、責められない。
しかし父の機嫌が益々悪くなってくのには困った。
とは言え待つ以外出来る事無いんで、携帯に撮り溜めてたビデオを観てた。
ワンピースと鋼の錬金術師を余裕で観終えたよ。
てゆーか観光地に来てまでアニメ観てんなよって話だが、偶々溜めてたのがそれしか無かったんだから仕方ない。(汗)
当たり障りの無い旅番組でも入れときゃ良かった…。
けど観てたお陰で列待ちの辛さはあんま感じずに済んだのです。
そんな私を真似して、母も携帯に撮り溜めてたサスペンスドラマを観ていた。(笑)

漸く乗れたケーブルカーの線路脇には、これまた八重桜が咲いてて綺麗だった。
急勾配をケーブルで引っ張って走る様は近くで観ると迫力。
駅が斜めってるので、ホームで待つにも、気を抜くとゴロゴロ転げ落ちそうで恐いんだ。

早雲山まで約9分、そこから今度はロープウェイに乗り換えて、桃源台を目指す。
途中一旦大涌谷で乗り換えるんすが、明日は子供の日という事で、通路の天井からビッシリと鯉のぼりが吊るされてて壮観でした。
吊るし雛飾りの影響も考えられるが、最近は何処でも鯉のぼりをズララッと並べて飾ってるように思う。
集合住宅住まいが多い昨今は、個人宅で飾るより、商業施設で鯉のぼりを飾る方がポピュラー。
商業施設に飾るなら派手なディスプレイを選んで当然、という訳でマフィア並のファミリースケールで飾られる鯉のぼりが目立つ様になったのではないかと。

そんな事よりロープウェイを待つ行列も凄まじかった。
連休中だから、何をするにも大行列。
GWは日本各地をディ○ニーランド化するのだなぁ。



↑並ぶのはくたびれたけど、ロープウェイから富士山を眺められたのは嬉しかった。
たかが山でも富士山を観ると幸運を感じる、自分が日本人で在る事を強く感じる瞬間である。(笑)

今迄の搭乗人数が世界1だと言う箱根ロープウェイは、何時の間にかモデルチェンジして格好良くなっていた。
時折ガクンって揺れるのがスリル、乗ってて結構恐い。
山を見晴らす絶景かな…ふと下界に目をやれば道路を埋め尽くす車の列、電車やロープウェイを待つ行列も凄かったけど、道路の方もすんごい大渋滞だった。
この眺めに、往きで懲りたんで帰りはバスにしようと言ってた母は、あっさり考えを変えた。
賢明な判断だったと思う、だって道路の車、微動だにしなかったし。

大涌谷~姥子~桃源台まで約8分のスカイライン。
昼食は芦ノ湖畔に建つ桃源台ビューレストランで食べました。
やはり大混雑だったけど、運良く直ぐに席が空いてくれましてな。
セルフサービスの極々普通のファミリーレストランっすが、GW中に贅沢は言えませぬ。
私と父と母は桜海老の掻き揚げ蕎麦を、弟のみ、ちとお高い肉メニューを注文しました…贅沢者め。



↑食後は箱根レイクホテルに寄り、温泉入って来ました。
桃源台から約3分の好立地に建つ此処は、国民宿舎の為とにかく安い。
和室トイレ付き部屋(2名以上)に1泊2食付きで8,500円、休前日でも11,500円。
トイレ無しの部屋に1泊朝食付きなら平日で5,000円。

んで宿泊だけでなく日帰り入浴も受けてまして、午前11時~午後4時まで大人750円、子供500円で入れるんすよ。(火曜休)
休憩用の広間も設けてあって、時間内自由に寝そべって居られる。
飲食物持ち込みOK、お茶もポットに無料で用意、TVも有る。
「石楠花の湯」の名の通り、風呂に面した庭園には真っ赤な石楠花が咲いてて綺麗だった。
GW中の割には混んでなくて、非常に寛げたです。
(箱根レイクホテル→http://www.hakone-lakehotel.com/)

散々歩き廻って来たもんで、一旦休むと足の裏に根が生える。
しかし当初自分の目的は山のホテルのツツジを観に行く事だった。
此処で終る訳にはいかない…!と根性出して、遊覧船に乗りに行こうとした。
疲れてるだろうから家族は残して独りで行く積りだったんだけど、話をしたら母と弟も付き合うと言いまして。
予想通り父はホテルで休憩してると言い、そこで荷物を任せて、3人で遊覧船に乗りに行く事にしました。

しかし港で乗船を待ってる間、嫌な予感がした。
帰りも往きと同じルートを辿るって事は、同じく大行列に出くわすって事である。
元箱根で降りて、山のホテルまでツツジを観に行ってたら、帰りのロマンスカーに間に合わないんじゃない?(汗)
母と弟と議論した結果、泣く泣く山のホテルのツツジを諦め、遊覧船で1周して帰る事を決めたのです。
なんて本末転倒の旅だろう。



↑けど桃源台港を出て、芦ノ湖を1周する船旅は楽しかった。
湖を吹き抜ける風は涼しく気持ち良かったです。



↑混雑を少しでも避けようと、追加料金払って特別観覧席に行ったのですが、お陰でゆったり過せました。
乗ったのは17世紀フランスの帆船戦艦「ソレイユ・ロワイヤル(太陽王)号」をモデルに造ったという「ロワイヤル」号。

ちなみに記事上のは17世紀前半「北欧の獅子」と呼ばれ、初代スウェーデン国王に就いたグスタフ・アドルフが建造したという「バーサ号」をモデルに造った遊覧船だそう。



↑そしてこれは2007年3/20に就航した新遊覧船、18世紀にイギリスで建造され、数々の歴史的な海戦で活躍したという、戦艦「ビクトリー」をモデルに造ったのだとか。



↑どれも海賊船の呼称で親しまれてますが…



↑…その割りに(船員含めて)貴族的な居住まいですなぁ。(笑)
まぁ女王から貴族の称号を与えられた海賊は実在するけどね。



↑芦ノ湖を滑る船は数多い。



↑湖面に姿を映す赤い鳥居。



↑旧岩崎男爵の別邸「小田急山のホテル(→http://www.odakyu-hotel.co.jp/yama-hotel/)」は、ツツジとシャクナゲの名所として名高い。
しかし湖上から眺める限り、ツツジは未だ咲いてなく、未練が少し薄れた。
どうやら今年は開花時期が大幅に遅れているよう。
元から縁が無かったっつう事だ。

1周してホテルに戻って来たら、父の機嫌が直ってた。
帰り道久し振りに笑ってたし。
温泉入って疲れが取れて、後は家に帰るだけと思ったら、ほっとしたんだろうけど。
それなりに効果有る旅だったんじゃないかと。

帰り道もえっらい大フィーバーで疲れたけど、何処かに遊びに行くだけでも、ストレスは発散出来るもんだ。
でもやっぱりなるべくならGWは避けた方が良いなとも感じた。(笑)



↑お土産は箱根湯本駅前の和菓子屋「菜の花」で買った、「あづき月福」。



↑葛餅と羊羹を合わせた様な水羊羹で、食感良く美味しかった。
しかし此処で買うなら、私は桜餅を薦めたい。
残念ながら私らが行った時、売り切れたらしく置いてなかったが…。
関東伝統の小麦粉を焼いて作る桃色の皮で餡を巻いた桜餅なのが良いのです。
すっかり関西式の道明寺タイプに圧されてる昨今、関東風の桜餅を売る店は貴重。
元は小田原に店を開いてたのが、人気が非常に高かった為か箱根湯本にも進出、今店のサイトを確認したら、小田急新宿百貨店本館地下2階にもオープンしたらしい。
和菓子だけでなく、器や和雑貨も取り扱うマルチなお店である。
(→http://www.nanohana.co.jp/200910NAN/index.html)


・便利な箱根総合情報サイト(→http://www.hakonenavi.jp/)
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