はぁい♪ミス・メリーよ♪
今日は昨日予告したように、聖ニコラウスが生れる以前、人々に福を配って廻っていた存在についてお話するわね。
TV等の宣伝力により世界的な人気を博したサンタクロース。
けれどヨーロッパの各地では、今でもサンタクロースとは別個で、聖ニコラウスが子供達にプレゼントを配って廻って居るわ。
例えばオーストリアのミッテンドルフと言う村では、12/5の夜になると悪魔や祖霊を従えて聖ニコラウスが家々を廻り、子供達に説教した後でプレゼントを渡す儀式が行われるの。
従えてる中で一際異様な姿をしてるのが、全身麦藁で包んだ「シャープ」と言われる物の怪。
彼らは聖ニコラウスが通る前に鞭で悪を払う役目を負ってる、キリスト教が伝わる以前に居た土着の穀物霊を表してるのよ。
引き続き現れる山羊の毛皮を纏った「クランプス」も、かつてはその土地の神様だった存在だけど、キリスト教が伝わった事により悪魔に堕とされてしまったの。
そして現代では聖ニコラウスの従者として、村人達に福を授ける仕事の手伝いをしてるという訳。
クランプスは手に枝を持っていて、打たれれば無病息災の御利益が有ると言われてるわ。
だから村人は見た目恐ろしい彼らを歓迎し、枝で打たれれば大喜びするの。
子供達は泣いて逃げ廻るけど、悪魔はそれを許さず捕まえて、1年間良い子で居たかを厳しく問詰める。
悪い子だった事が判れば、容赦無く枝で引っ叩き、聖ニコラウスが悔い改めるよう説教する。
そうして子供が良い子になる事を誓ったら、そこで漸くプレゼントが渡されるの。
もう1つ例を紹介しましょうか。
南ドイツ、ベルヒテスガーデンの村でも、12/5の夜になると「ブットマンドル」と言う物の怪が、聖ニコラウスに従えられて家々を訪ね廻るんですって。
全身を麦藁で覆い、腰には大きな鈴を着け、顔を仮面で隠した「ブットマンドル」は、やはりキリスト教が伝わる以前に、その土地で信仰されていた穀物霊なの。
彼らが手に持つ鞭で打たれた人は、新しい年を平安に過す事が出来ると信じられているから、村人は皆ビールやワインで歓待するのよ。
聞いてて秋田の「なまはげ」に似てると思ったでしょ?
小正月(1/15…もっとも現在は大晦日に行う地域が殆ど)に現れる、鬼の面を被り蓑で全身を覆った、恐ろしい妖怪「なまはげ」。
大きな出刃包丁を振り回し、悪い子や怠け者の嫁を捜して家々を訪ね廻るけど、彼らの訪問は来る年の健康を約束する福の知らせだから、迎える主人は酒と料理で丁重にもてなすの。
こんな風に訪れる者達は違えど、キリスト教が伝わる前からずっと、世界中で同様に新年を祝う儀式が行われていたのは興味深いわ。
年の終りにヨーロッパ各地で現れる聖ニコラウスは、大抵「鞭打ちおじさん(ペール・フェッタール)」と呼ばれる物の怪を連れてるの。
鞭打ちおじさんは人を食う恐ろしい化物だけど、同時に豊穣と富を司る神様でも在ったの。
本来は彼こそが人々にプレゼントを贈る役目を負っていたけれど、キリスト教への改宗が進んでく内に何時しか従者に身分を堕とされてしまったのね。
「鞭(枝)で打つ」と聞けば恐ろしいイメージを抱くでしょうけど、これは自然が宿す生命力を人に与える意味で行われた儀式。
サンタクロースと言う名前は、17世紀にアメリカへ入植したオランダ人が、聖ニコラウスを「シンタ・クロース」と呼んだ事から生れたと伝わってるわ。
だけど聖ニコラウスが訪れる前から、サンタクロースの原型は既に出来ていたの。
彼らは玩具や菓子を配って廻ったりはしなかったけど、その代わりに健康や平和や豊穣を連れて来てくれていた。
そうしたプレゼントは目に見えないけれど、何よりも得難い幸福だと思わないかしら?
といった所で3曲目…アメリカジャズ界の巨匠メル・トーメが1944年に作曲したクリスマスソングよ。
ナット・キング・コールが歌うバージョンは、この歌を特に有名なものにしたわ。
曲を聴きながら…今夜はこれでお終い。
それじゃあ皆、次回も楽しく歌いましょうね♪
【ザ・クリスマス・ソング】
Chestnuts roasting on an open fire♪
Jack Frost nipping at your nose♪
Yuletide carols being sung by a choir♪
And folks dressed up like Eskimos♪
Everybody knows a turkey and some mistletoe♪
Help to make the season bright♪
Tiny tots with their eyes all aglow♪
Will find it hard to sleep tonight♪
They know that Santa's on his way♪
He's loaded lots of toys and goodies on his sleigh♪
And every mother's child is gonna spy♪
To see if reindeer really know how to fly♪
And so I'm offering this simple phrase♪
To kids from one to ninety-two♪
Although it's been said many times many ways♪
Merry Christmas to you♪
And so I'm offering this simple phrase♪
To kids from one to ninety-two♪
Although it's been said many times many ways♪
Merry Christmas to you…♪
【訳】
栗の実が焼け始めている
身を切るような寒さに、鼻は赤く凍えている
合唱隊はクリスマス・キャロルを歌い、
人々はエスキモーの様に身を包んでいる
皆知っている
七面鳥ややどりぎは、このシーズンには欠かせないと
目をキラキラさせた子供達は皆
今夜は眠れないに違いない
子供達は思っている、サンタがもうすぐやって来ると
彼は沢山の玩具や品物を、そりに積んでいる
子供達は追求したい
空の飛び方を、トナカイが本当に知っているのかどうか
そして私はこのシンプルな言葉を
子供から92歳になるお年寄り迄全ての人に言おう
何度も、そして色んなやり方で今迄ずっと言われて来たけれど
『メリー・クリスマス・トゥー・ユー!』
…焼き栗っつうのは日本で言えば「焼き芋」並に、ヨーロッパなんかの名物屋台冬フード。
注文すると屋台の主人が新聞紙で包んで渡してくれるんだそうな。
それと「Jack Frost(ジャックフロスト)」ってのは、イングランドに伝わる霜の妖精で、寒さが厳しいのは彼らが悪さをしているからと、向うの人は考えてるんだそうで。
…なんてアメリカで生れた歌なのにヨーロッパの冬習慣を歌ってるのを奇妙に思うかもですが、元より民族はあちらから移動して来て、アメリカにとってはクリスマス=ヨーロッパから伝わった習慣ですからねえ。
毎度ようつべからですが、どぞお聴きくださいませ。(→こちら)
キリスト教っつうのは絶対的正義を説く宗教ですが、それ以前の土地神信仰ってのは正悪両方の性格を持っていたのですよ。
それがキリスト教が伝わり、キリスト教的存在が加わった事で、かつての土地神は悪魔に堕とされ、悪の性分のみを持たされる様になった。
かつては飴と鞭両方を与えていたのが、鞭だけを先に与える役目を負い、その後で聖人が飴を与える役を担う様に変わった訳です。
写真はハウステンボス、ニュースタッドの街路樹。
クリスマスシーズンに合せて、毎年赤い実を鈴生りに付けるこの樹は、天然のクリスマスツリーに思える。
何でも「クロガネモチ」って名前らしい。(と貰った資料を早速役立てる…)
緑と赤の組合せって良いよね~。
今日は昨日予告したように、聖ニコラウスが生れる以前、人々に福を配って廻っていた存在についてお話するわね。
TV等の宣伝力により世界的な人気を博したサンタクロース。
けれどヨーロッパの各地では、今でもサンタクロースとは別個で、聖ニコラウスが子供達にプレゼントを配って廻って居るわ。
例えばオーストリアのミッテンドルフと言う村では、12/5の夜になると悪魔や祖霊を従えて聖ニコラウスが家々を廻り、子供達に説教した後でプレゼントを渡す儀式が行われるの。
従えてる中で一際異様な姿をしてるのが、全身麦藁で包んだ「シャープ」と言われる物の怪。
彼らは聖ニコラウスが通る前に鞭で悪を払う役目を負ってる、キリスト教が伝わる以前に居た土着の穀物霊を表してるのよ。
引き続き現れる山羊の毛皮を纏った「クランプス」も、かつてはその土地の神様だった存在だけど、キリスト教が伝わった事により悪魔に堕とされてしまったの。
そして現代では聖ニコラウスの従者として、村人達に福を授ける仕事の手伝いをしてるという訳。
クランプスは手に枝を持っていて、打たれれば無病息災の御利益が有ると言われてるわ。
だから村人は見た目恐ろしい彼らを歓迎し、枝で打たれれば大喜びするの。
子供達は泣いて逃げ廻るけど、悪魔はそれを許さず捕まえて、1年間良い子で居たかを厳しく問詰める。
悪い子だった事が判れば、容赦無く枝で引っ叩き、聖ニコラウスが悔い改めるよう説教する。
そうして子供が良い子になる事を誓ったら、そこで漸くプレゼントが渡されるの。
もう1つ例を紹介しましょうか。
南ドイツ、ベルヒテスガーデンの村でも、12/5の夜になると「ブットマンドル」と言う物の怪が、聖ニコラウスに従えられて家々を訪ね廻るんですって。
全身を麦藁で覆い、腰には大きな鈴を着け、顔を仮面で隠した「ブットマンドル」は、やはりキリスト教が伝わる以前に、その土地で信仰されていた穀物霊なの。
彼らが手に持つ鞭で打たれた人は、新しい年を平安に過す事が出来ると信じられているから、村人は皆ビールやワインで歓待するのよ。
聞いてて秋田の「なまはげ」に似てると思ったでしょ?
小正月(1/15…もっとも現在は大晦日に行う地域が殆ど)に現れる、鬼の面を被り蓑で全身を覆った、恐ろしい妖怪「なまはげ」。
大きな出刃包丁を振り回し、悪い子や怠け者の嫁を捜して家々を訪ね廻るけど、彼らの訪問は来る年の健康を約束する福の知らせだから、迎える主人は酒と料理で丁重にもてなすの。
こんな風に訪れる者達は違えど、キリスト教が伝わる前からずっと、世界中で同様に新年を祝う儀式が行われていたのは興味深いわ。
年の終りにヨーロッパ各地で現れる聖ニコラウスは、大抵「鞭打ちおじさん(ペール・フェッタール)」と呼ばれる物の怪を連れてるの。
鞭打ちおじさんは人を食う恐ろしい化物だけど、同時に豊穣と富を司る神様でも在ったの。
本来は彼こそが人々にプレゼントを贈る役目を負っていたけれど、キリスト教への改宗が進んでく内に何時しか従者に身分を堕とされてしまったのね。
「鞭(枝)で打つ」と聞けば恐ろしいイメージを抱くでしょうけど、これは自然が宿す生命力を人に与える意味で行われた儀式。
サンタクロースと言う名前は、17世紀にアメリカへ入植したオランダ人が、聖ニコラウスを「シンタ・クロース」と呼んだ事から生れたと伝わってるわ。
だけど聖ニコラウスが訪れる前から、サンタクロースの原型は既に出来ていたの。
彼らは玩具や菓子を配って廻ったりはしなかったけど、その代わりに健康や平和や豊穣を連れて来てくれていた。
そうしたプレゼントは目に見えないけれど、何よりも得難い幸福だと思わないかしら?
といった所で3曲目…アメリカジャズ界の巨匠メル・トーメが1944年に作曲したクリスマスソングよ。
ナット・キング・コールが歌うバージョンは、この歌を特に有名なものにしたわ。
曲を聴きながら…今夜はこれでお終い。
それじゃあ皆、次回も楽しく歌いましょうね♪
【ザ・クリスマス・ソング】
Chestnuts roasting on an open fire♪
Jack Frost nipping at your nose♪
Yuletide carols being sung by a choir♪
And folks dressed up like Eskimos♪
Everybody knows a turkey and some mistletoe♪
Help to make the season bright♪
Tiny tots with their eyes all aglow♪
Will find it hard to sleep tonight♪
They know that Santa's on his way♪
He's loaded lots of toys and goodies on his sleigh♪
And every mother's child is gonna spy♪
To see if reindeer really know how to fly♪
And so I'm offering this simple phrase♪
To kids from one to ninety-two♪
Although it's been said many times many ways♪
Merry Christmas to you♪
And so I'm offering this simple phrase♪
To kids from one to ninety-two♪
Although it's been said many times many ways♪
Merry Christmas to you…♪
【訳】
栗の実が焼け始めている
身を切るような寒さに、鼻は赤く凍えている
合唱隊はクリスマス・キャロルを歌い、
人々はエスキモーの様に身を包んでいる
皆知っている
七面鳥ややどりぎは、このシーズンには欠かせないと
目をキラキラさせた子供達は皆
今夜は眠れないに違いない
子供達は思っている、サンタがもうすぐやって来ると
彼は沢山の玩具や品物を、そりに積んでいる
子供達は追求したい
空の飛び方を、トナカイが本当に知っているのかどうか
そして私はこのシンプルな言葉を
子供から92歳になるお年寄り迄全ての人に言おう
何度も、そして色んなやり方で今迄ずっと言われて来たけれど
『メリー・クリスマス・トゥー・ユー!』
…焼き栗っつうのは日本で言えば「焼き芋」並に、ヨーロッパなんかの名物屋台冬フード。
注文すると屋台の主人が新聞紙で包んで渡してくれるんだそうな。
それと「Jack Frost(ジャックフロスト)」ってのは、イングランドに伝わる霜の妖精で、寒さが厳しいのは彼らが悪さをしているからと、向うの人は考えてるんだそうで。
…なんてアメリカで生れた歌なのにヨーロッパの冬習慣を歌ってるのを奇妙に思うかもですが、元より民族はあちらから移動して来て、アメリカにとってはクリスマス=ヨーロッパから伝わった習慣ですからねえ。
毎度ようつべからですが、どぞお聴きくださいませ。(→こちら)
キリスト教っつうのは絶対的正義を説く宗教ですが、それ以前の土地神信仰ってのは正悪両方の性格を持っていたのですよ。
それがキリスト教が伝わり、キリスト教的存在が加わった事で、かつての土地神は悪魔に堕とされ、悪の性分のみを持たされる様になった。
かつては飴と鞭両方を与えていたのが、鞭だけを先に与える役目を負い、その後で聖人が飴を与える役を担う様に変わった訳です。
写真はハウステンボス、ニュースタッドの街路樹。
クリスマスシーズンに合せて、毎年赤い実を鈴生りに付けるこの樹は、天然のクリスマスツリーに思える。
何でも「クロガネモチ」って名前らしい。(と貰った資料を早速役立てる…)
緑と赤の組合せって良いよね~。