kotoba日記                     小久保圭介

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『自動化作用』

2022年02月12日 | 生活
  



叙事詩
制作



大江健三郎が
『自動化作用』
ということを
しきりに言っていた時期がある
『自動化作用』
とは

いつも見慣れている道を歩いていても
ハッとこんなところに
こんなものがあったとは今まで
気づかなかった
目は確実に見ているにもかかわらず
脳が必要な情報かそうでないかを振り分ける時
「必要なし」と判断したもの
それが時にたくさんある

今までこんなところにこんなものがあったなんて
という経験は
皆さん
していると思います
脳が自動的に急務な情報ではなし
と判断した場合
情報としては排除される
よって
脳内に記憶及び記録がない

または最初
不思議に思ったことでも
それが当たり前になれば
不思議ではなく
「振り分け」が起き
生命に関わる情報ではない
と判断され
記憶は潜在化してゆく

現在
わたしを含めて
たくさんの人々が
ある事象において
『自動化作用』が起きている

それは何か
<みんながマスクをしている>
ことです

これは最初
滑稽かつ不思議な光景だったはず
今では『自動化作用』が起きて
当たり前になっている

ここで中上健次の言葉を想起
「外国人の目になって見ろ」
である

外国人は日本人の
全員マスクを自動化作用してはいない

地下鉄の全員スマホも然り

潜在した自動化作用を
子供の目になって
気づく時
「ああ、みんなマスクしてるわ」
と顕在する瞬間に
「わたしは何も見ていなかった」
と自戒するに至る

早く寝る




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