kotoba日記                     小久保圭介

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記憶(映像も)は言葉で出来ている

2022年01月09日 | 文学



この歌はユニコーンの「エコー」です
奥田民生の声圧も圧巻です
さらに表情がいい
メンバーも良い
ドラマ『重版出来!』の主題歌で
奥田民生が久しぶりに「ちゃんと作った曲」
らしいです

サウンドもメロディもリズムもすべて
かっこいい
でもどうしても
音楽の場合
歌詞があとになってしまう
実はこの歌詞
すごいんですわ
わかりますかみなさん?

これ、脳の中の記憶の歌なんです。
さらに、それは言葉でできているわけですね
現代詩の吉増剛造も真っ青
文学の高橋源一郎だって
ここまでャbプに
『言葉』のことは言えてません
奥田民生さん
アホなふりして
かなり読書家じゃない?
って思いますわ
とくに詩ですね

ここまでユーモアがあって
どんなふうにも読める詩
きっとドラマ『重版出来!』の主題歌の依頼が来て
出版社が本を作り
重版になる
という快挙までもってく
可能性と努力
それを奥田民生さん
思ったわけですね
すごく思った考えた想像したんですね
それで出てきた歌詞がこうです






割と昔から溜めといて
たまに読み返す 頭ん中
その言葉は 言葉には
エコーがついてる

目に留めた先の あの言葉
何か耳にした あの言葉
君のくれた言葉にも エコーがついてた

俺は持っている 隠し持っている
常になっている なっている

一回 一回 刻み込んでいく
毎回 毎回 声に出して思い出して
一回 一回 繰り返していけ
いっぱい いっぱい
鳴り響いて 染み込んでいけ





どうですか? みなさん
これって読書体験で
良い言葉が頭に残っていたり
どこかで耳に聞いた素敵な言葉だったり
「あんた変態!」って彼女に言われた言葉であったり
それはもうどんな言葉でも
響いて
残って
染みこんでゆけと
いろいろ
言葉の重複があるわけです
「あんた変態!」
と言われた時から
「そうか俺は普通だと思ってたけど、変態なんだ」
と自己に気づく時
そこから変態肯定の記述に
いちいち引っかかって
脳に記憶され
変態の総体を形成してゆく

まあそうも読める歌ですね

良い言葉を
一回一回頭ん中に胸ん中に刻み込んでいけ

毎回毎回
大事なことは声に出して思い出して
いっぱいいっぱい
響いて
鳴って
染みこんでいけ


それが「思う」
ということなんですね
すごいですよ
これって
文学そのものだし
文券癜]の領域まで凌駕して
それを難しい言葉じゃなくて
「変態で悪いか!」
とャbプに言ってみせる

奥田民生天才説は
数多の意見だけど
少し音楽が好きな人なら
「民生って歌詞が面白いね」って
言いますもん

実はまだドラマ「重版出来!」見てないので
Amazonビデオではやく見たい

歌詞の「なっているなっている」
は「鳴っている鳴っている」でもいいし
「成っている成っている」でもいいですね
どっちでも聞く読む方の自由

いやあ名作が多い民生さん
これ
凄いですよ
ぶっちゃけ
ャbプ文学だもん!

記憶ってみんな言葉でできてるんですよね
知ってましたみなさん?
映像もまず家という言葉で立体化されて
冬だったら
寒いとか冬って言葉で皮膚感覚記憶まで作るんです
脳は全部
言葉から色彩とか映像とか音とか
形作ってくんです
考えることも思うことも
全部
一度言葉で瞬時に組み立てていくんですよ

歌詞で「声に出して」
ってあるでしょ?
それは頭の中の言葉を
口と顎と頭蓋骨で響かせて
何なら鎖骨や胸骨
体全体に
響かせて振動させることによって
言葉がでっかくなるんですね

この歌詞
わらかないよー
って人もいるかもしれないけど
忘れないでね
これは
言葉の歌なんですよ




コメント
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