kotoba日記                     小久保圭介

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忘れられない言葉

2021年11月11日 | 生活
  




淡々さんから
タイとフィリピンの言葉を
教えていただく

コップンカ タイでありがとう

サラマー  フィリピンでありがとう

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男は
「つくも」
と答えて
南へ向かった

「上のほう」
と答えて彼らは
南へ向かった

「やっぱり庭には」
と彼らが言って
北へ向かった

「うちは丹羽さんもいて」
と彼らは言って
南へ向かった

「名古屋けっこう満員電車じゃん」
と男女は言いながら
北へ向かった


あり

「世界全体がしあわせにならない限りわたしのしあわせはない」
と宮沢賢治は言って
北へ向かった

「一隅を照らす」
と最澄は言って
北へ向かった

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ずっと前
オオヤノオジと立っていると
西から白杖を持った青年が来た
「ハローワークはどこですか」
「すぐ南です。一緒に行きます」
と答えた
「あ、そうですか。大丈夫です、ありがとうございます」
青年は来た道を急ぎ
目の前の電柱に顔をぶつけた
「大丈夫ですか!」
わたしもオオヤノオジも驚いた
電柱があることを
青年は忘れていたのか
知らなかったか
近すぎて
白杖で探ることができない『間』だった
顔から血
「一緒に行きます」
と腕をとっていただき
振り返り
「いいですよね?」
と無言でオオヤノオジに訊く
「一緒に行ってきなさい」
とオオヤノオジは心配そうな表情で言う
青年を送りとどけ
労働場に戻り
オオヤノオジのとなりに戻った
オオヤノオジは静かに
ゆっくり言った
「こういう言い方はしてはいかんのだけど、、、、かわいそうだな」
わたしは
ハッとした
今でもその言葉が刺さっている
「かわいそう」という言葉は
言ってはいかんのです
「同情するなら金をくれ」
というコピーがあった
あれと同意

かわいそう
という言い方は
上から目線の言葉だと
あまりみんな気がついていない
あの時から
わたしは
言わないように心がけています
オオヤノオジは
たくさんの経験を積んできたにちがいない
そしてそれは叡智である


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これもずっと前の話

大きな休憩所で
テーブルごとに
いろんな業種の席が振り分けられていた

たまたま
隣で型枠大工さん達が
休憩していた

わたしは隣で
ぽつねんとしていた

型枠大工さん達5人か6人くらいだったと思う
そこにいない仲間の悪口を言っていた
あれがどうとかこうとか
みんな真顔で腹を立てている
強い口調もあったと思う
ある一人が言った
「あいつが悪いんじゃない。あいつの部分が悪いんだ」

わたしはその時も
ドキッとした
そして今でも
忘れることができない言葉だった

型枠大工さんの言葉は
知恵である
ならば
オオヤノオジの言葉は
愛である

愛と叡智のナンタラカンタラ
というイベントなど必要ない

愛と知は
生活者の口を借りて
発される
その瞬間に立ち会うということ

試されているのは
わたしだ

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東日本大震災
避難所をまわる
平成天皇皇后のお姿
膝をつき
被災された民と同じ目線で
手を取る

美智子皇太后は
渦中の眞子様を
黙って抱きしめたという
その優しさ

昭和天皇の戦争責任を
謝罪するため
アジア各国の島々を
平成天皇皇后両陛下は
お歳を押してまで
まわり続けた
手を合わせた

沈黙することの
大切さ

たとえば
ナマステ先生

是非を問わず
常に沈黙する

時に激昂して
愛ではないものに
容赦ない言葉を投げる
だから
『先生』なのです

何からでも
誰からでも
学べる
と言ったのは
誰だったか








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