旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

シラクーサ、シチリア本土側

2015-09-17 15:14:41 | イタリア
昼食後、少し休憩にホテルへ戻る道。古代ギリシャのシラクーサへの城壁門跡が、発掘されている
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午後はシチリア本土側を見学しよう。

シラクーサはローマに次いでカタコンベ(簡単に言えば古代の地下墓地)が多い場所だそうだ。なかでも最大なのが、このサン・ジョヴァンニのカタコンベ。見学できるエリアだけでもこんな感じ。地上の街のように南北通りカルドと東西通りデクマヌスが貫き、そこに沿って整然と墓が置かれている。

内部は写真禁止なので、入口に掲げてあった案内をご紹介このように幅の広い道で、二十人ほどの見学者もゆったり歩けた。
ここははじめから墓地として掘られたのではなく、ギリシャ時代には石切り場で後には水道に使われていた場所になる。キリスト教禁教時代、密かにそこを墓地として使用し始めたのがはじまりである。

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上の写真で、涙を流す聖母マリアの像が気になりますよね?

すぐ近くにその奇跡が起こった場所があり、今ではモダンな教会がそびえている内部はこんな
中心には、五十センチほどのそのマリア様の半身像この奇跡は1955年のこの場所に住んでいた貧しい夫婦に起こった。出産後に体調を崩して目が見えなくなっていた彼女が、一心に祈る。ある朝起きると、兄から贈られたマリア像が涙を流しているのが「見えた」。その話をききつけた近隣の人々がつめかけている写真バチカンもこの奇跡を「事実」と認定し、巡礼地のひとつになったのである。

教会の地下部分その涙をふいたハンカチが聖遺物として展示されていたそうだが、今はポルトガルのファティマに出張しているそうな。とつぜんこんな古い家の残骸が…さてはその家の跡?いえいえビザンチン時代の遺跡なんだそうです。シチリアらしいです

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一般的な観光で訪れるのは、「天国の石切り場」だろう。かつてこの場所は地下の石切り場だったのだが、17世紀末の地震でほとんど屋根が落ち、こんな場所になっている↓

レモンなどが植わっている。葉を積んでみるとさわやかな香り。これでミンチ肉を挟んで焼くとおいしいんだとか

屋根が落ちなかった洞窟の一部は、海で使う長い縄を結う職人の仕事場になっていた

そして、いちばん有名なのが、この「ディオニシオスの耳」確かに耳の様な形をしている。この名前をつけたのは1608年に訪れた画家のカラヴァッジョだとされている。洞窟に閉じ込められた古代アテネの虜囚の話に、洞窟の奥上部にある穴から僭主ディオニシオスが聞き耳をたてていた、というのである

この穴も、ギリシャ時代の水路がもとになっている。天井をみあげるとその当時の名残があった

すぐ近くにあるギリシャ時代のテアトルが美しい

傾斜地を利用してつくられ、観客席後ろ側が、前述の石切り場の端となっている。山から運ばれてきた水は、今でも滔々と流れ出していた

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19時半、夕暮れてきた街を歩いて夕食へ。
せっかくのこの時間、大聖堂の広場へ遠回りしよう
古代ギリシャの神殿をりようした教会の、昼とはまた違った美しさ。

聖ルチアの教会の右横の通りから漏れる黄色い街灯の光が、大理石の床に反射している。


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四年ほど前に訪れた路地のレストラン。こんな席の出し方おなかいっぱいいただきました

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