旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

ブリエンツで牛を刻む

2012-06-28 14:18:34 | スイス
朝、ギースバッハを船で出発。

今日は対岸のブリエンツまでほんの十分ほどの移動。

夕方までブリエンツで過ごして向こうに見えるロートホルン山頂の山小屋ホテルに泊まる。
パッケージツアーでは有り得ない、ほとんど移動しない、とても余裕ある日。

ちょうど一年前、このブリエンツ湖畔をボランティアガイドしてもらったことを思います。
この時から今回の《手造の旅》列車とポストバスで行くスイス、ははじまったのだった。
その時の日記参照。

湖畔を白鳥がついてくる。

ブリエンツには何度となく来ていたが、ほとんどがパッケージツアーでお土産物屋へ停車するだけ。こんなに美しい村だとはじめて知った。

どの家も、ブリエンツそのものに敬意を表して目立ちすぎないそれでいて美しい佇まいを演出している。

ふと気づいたのだが、この家の造りは今年一月に小松が行ったブータンと似ている。
基礎の部分を石で積み、その上に木造の部分を乗せている。


ここにはスイス唯一の木彫り職人養成学校がある。
生徒は全国から毎年8名ほどをとっているとか。
わざわざ先生が案内してくださった。

生徒たちは学年末で卒業制作に追われている。

ここは日本の北海道のくまの彫り物のルーツにもなっているそうである。
いろいろな話を聴いて、午後の「牛彫り」が楽みになってきた。

昼食は湖畔でサンドイッチ。
夕食を美味しく食べるためにも、お昼はこのぐらいで良いのです。
無駄にいつもスリーコースなんか必要ありません。


★19世紀から続く木彫の老舗JOBIN(ジョバン)の社長が自ら先生をして下さる、牛彫り体験のはじまり!


材料は松の一種だそうだ。荒掘りしてある型からはじめる。
道具は本格的な彫刻刀。指を切らないように慎重に背中の部分後をごしごし削る。時折先生が彫り方のお手本を実演してくれるのだが、見ていると柔らかいチーズを削ぐように木がはがれてゆく。
目を削って首に鈴をつけて耳と角をつけるとほうら、牛らしくなってきました。色付けは各自好きなように。小松はうちの犬(ダックスフンド)をモデルに塗ってみました。
ワイン等飲んでいる間にそれぞれの作品を乾かし、社長自らが修業証を手渡してくださる。ジョバン社長を真ん中にみんなで記念写真

**
午後四時過ぎ、ロートホルン山頂へ登る最終の蒸気機関車に乗る。
幸い視界も良好。

さっき彫った牛を見ると、全体をしっかり観察したくなる

眼下にブリエンツ湖が見えてきた。

山頂駅からホテルまでちょっと荷物をひきずって

洗面台だけ付いたしかしとても清潔な部屋にチェックイン。
尾根にあるこのホテルからはどの部屋になっても素晴らしい眺望が楽しめる。

今日の夕食もまた、シェフから「一番自信のある料理を出します」と連絡を受けている。
そして、出てきた料理は、正直に言ってパッケージツアーで手配して泊まった時に出された料理とは雲泥の差であった。
最初につまみで出てきたチーズとサラミ

これを前菜のサラダと一緒に食べるとぐっと味わいが変わる。
ドレッシングは新鮮なオリーブオイルとビネガーと塩胡椒で自分でつくる。
日本には数限りない市販ドレッシングがあるが、それよりも素材の味を楽しめるのではないだろうか。
メインコースは鱒の一種

はじめに「魚をメインコースにしたい」と連絡があったとき、小松は「え~、さかな?」と思わず言ってしまった。
魚大好きな日本人に山の民スイス人のシェフが満足させられる料理を提供できるのか?と思ったのである。
しかし、その予感は良い方に裏切られ、身も味付けもそして付け合わせの野菜の素晴らしさも!とても満足できる夕食となった。正直に言って、前日に泊まった名門ホテルの夕食よりもずっとおいしかった。
★そしてデザートは本当にここでしか食べられない「グリルしたベリー」

ふわっとしたソースの表面を焦がしてある事によって香ばしさが増す。こんなの食べたことありませぬ。
料理はやはり気持ちが入っていることが重要なのですね。

***
夕食後21時近くなってもまだまだ明るい。
ロートホルンの山頂まで15分ほどゆっくり歩いてゆく。
ほんとうは明日の午前中に歩こうと思っていたアイ湖を見下ろすと、まだまだ雪が残っているのがわかる。

コースはまだ正式オープンしていないので、あすは残念ながら行くことはできない。
日没を楽しんだ後、みんなで記念撮影
小松の彫った牛も記念撮影
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