旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

氷河特急からかつて氷河が見えていた谷

2021-10-04 22:02:17 | スイス
2007,2008,2010年スイスの旅より
1930年に開通した「氷河特急」はこの谷を走り抜けるとき、車窓から巨大なローヌ氷河が見えた。
↑上の写真はかつてローヌ氷河のあった場所から列車のルートを見下ろしたところ↑
↑じぐざくした白い道は後に建設された車用のもの↑線路はその下に黒っぽく見えている。

↑同じ場所から↑右端に現在縮んでしまった氷河がちょっと見える↑
百年前の「氷河特急」のポスターには↓

車窓から見える氷河の様子が描かれている↑
現在↓氷河の氷が覆っていた場所は↓白い跡になっている↓

↑右上に見える山のカタチがポスターと同じだ↑
↑よく見ると冒頭の写真を撮った場所に今もあるホテルが小さく写っている↑

↑そのホテルの場所から、かつてあふれだす氷河が覆っていた場所を間近に見る↑
氷河特急に乗っていては見えなくなってしまった氷河をこのホテルにバスを止めて観に行こう↓

↑「氷の洞窟 ローヌ氷河」の看板↑百年前はこのホテルに泊まれば眼下に氷河が見晴らせたのだろう。

↑今はホテルに「入場料」を払って氷河への道に入らせてもらうことになっている。かつては無料。百円程度だった入場料は、あれよあれよと七スイスフランにまで値上がりしていた。

↑すぐに1947年の「この場所」の写真↑え?ここまで氷河の氷がおしよせていたんだ。
今はまだまだ先・・・

こんどは↑1996年の写真↑たった十年ほど前でもここまであったのに…
「不都合な真実」を目の当たりにして唖然とする
*同じ場所を別の年に訪れた時の写真↓

すぐ近くのある氷河がほとんど見えなかった

だが、氷河のトンネルに入ると

幻想的な美しさは変わらない

外が晴れていても、霧におおわれていても

↓氷河の上を専任ガイドさんとともにトレッキングするツアーもある

***
ゴムスの谷からフルカ峠を超えるあたりは雪崩も多く、氷河特急ルート上で最も危険なエリアだった。
冬季も休業せず通年運行を可能にするためにフルカトンネルが掘られ、1982年から氷河特急はかつて氷河が見えた線路を通らなくなった。「グレッチ(氷河)駅」↓も使われなくなっていた↓

「いちばん眺めのよかった区間をSLで復活させよう」と、2000年から夏だけこんなのが走るようになった(^^)↓

グレッチ駅もこの時だけ復活

かつて氷河特急の乗客が宿泊した宿もすぐちかい↓

1830年に十二室で開設さえれたホテルは1870年代に拡張され、すでに現在の建物に近くなっていた。
当時はこの建物のすぐ横まで氷河が迫っており、まさに「ローヌ氷河ホテル」の名にふさわしい景色が楽しめただろう。
はるばる馬車でやってきたイギリス紳士をはじめとするお金持ちは一週間二週間と長逗留するのがあたりまえだった。
二十世紀の氷河特急がやってくるはるか以前から、ここはヨーロッパで指折りの氷河観光地だったのである。

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