旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

パルメザンチーズとバルサミコ酢の工場を見学

2014-10-20 02:15:30 | イタリア
《手造の旅》北イタリア小都市めぐり5日目~六名+小松の旅だから出来る、今回の旅ならではの日です(^^)/

モデナの南、ブドウ畑が広がる丘陵地帯にあるアグリツーリズモで目覚める


朝食は8時から。でも、遅すぎるとは感じない。
太陽が昇ってからちょうど良い時間に朝食だ、という感じ。急ぐ旅ではこういう朝食を楽しめません。

メニューは文字にしてしまうとそれほど変わったモノではないのだが、ひとつひとつの質が良い。
写真から伝わるとよいのですが
手造りのジャム、いろいろな材料の味わいがある。写真いちばん右の素材がわからなかったので訊ねると「ペスカ、ペスカ、えっと英語でなんだっけ」と辞書をひいておしえてくれた
**

農場民宿を出てすぐに一番近い城塞の村が見える


★二十分ほどでマラネッロ近郊のパルメザンチーズの工場へ到着。
マラネッロはフェラーリの街として有名。

簡易衛生服を着用して行程を見学
機械化しているように見えても、結局は昔ながらの方法で人間がつくっているのだと実感。
結局美味しいものというのは、安く大量生産など出来ないのがあたりまえなのだ
飽和食塩水の中で浮かぶパルメザンチーズ。長い棒でひっくり返す。


パルメザンチーズはとても価値があるものなので、商標をつけるのもきっちり管理されている。これを型枠に入れる。

そして、熟成の棚で12ヵ月、または24ヵ月、と寝かせる。
最終的に検査に合格したものが印を押されてそれが偽装されないように緑色に見える確認チェックがはいる。
12ヵ月モノと24ヵ月モノを味わってみると明らかに違う。それは良し悪しではなくて好みですね。

直売所で切ってすぐに真空パック
五百グラムで七ユーロほどでした(^^)

***

★次はバルサミコ酢をつくっている所へ行こう。
こちらはブドウ畑の中にある家族経営の小さな「工房」と呼びたい場所。
この地方の発砲赤ワインランブルスコの一品種であるグラスパ・ロッサの葉が赤く紅葉している。白ワイン品種も植えられていて、このしぼり汁を薪で煮詰めていくと、甘い「ワインの元」が出来る。オーストリアあたりで「モスト」と呼ばれるもの。おいしく試飲させていただきました

ワインをつくるのとは反対に、温度差のある屋根裏で寝かせる。その時に何の木をつかったかによって、味わいがかわってくるのだそうだ。樽は菌が息をできるように開けた状態にしてある

樽に木の名前が書いてある


熟成には8年、15年、25年、など長い年月が必要となるのが手造りバルサミコ。この地方では子供が生まれると、その年のものを名前を書いて寝かせておき、結婚式に双方の家で持ち寄って開けたりするという。ここのご家族のお孫さんダビデくんの樽がこれ

バルサミコは独特の形の入れ物に入れてつるしておかれた。それがこの入れ物今でもバルサミコの協会?のマークになっている

高級バルサミコは出荷の時に差別化されるための認証をとり、独特のボトルに入れられる。それがこのボトルこれに入れて認証をとった商品は、ガイドさん曰く「30ユーロも高くなる」のだそうだ。

ここの小規模な「工房」のオーナーはそういうのが気に入らず、専用の瓶は使わずに、自分たちのルートで出荷しているそうな。
なるほど、どの業界でも同じなんだ。自分の商品に自信があれば、大量生産品のルートに乗せずに、しかも上品質なものを良心的な価格で提供できる、ということ。※旅行だって同じです(^^)

いよいよ試食!
15年もの+さっきのパルメザンチーズ工場からもってきてもらったリコッタチーズ

25年もの+パルメザンチーズ

この25年ものは、どっかで食べたことのある味・・・そうだ、梅肉エキスにそっくりであります。
この日の夜に行ったパルマのレストランで出されたものも15年ものだったし、かならずしも熟成が進んだものが上モノとはかぎらないのがよくわかった。
要は自分が好む味わいとして楽しめることが重要なのですね。

~この日の午後に訪れたパルマについては、こちらからお読みください。




※工業製品では熟成を早めるために先にできているワイン酢を入れたりするのだそうな。今回大量生産の市販品と比べてみると、市販品ではお酢の咽るような香りが強いのに対し、この工房の15年ものになるとそういう感じがまったくなかった。

コメント
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