ジジババのたわごと

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コロナ受け入れで病院赤字? なぜ

2020年12月21日 | Weblog

「医療崩壊寸前だ」という声が聞こえる。

重装備姿でコロナ患者の治療に当たる医師や看護師の姿を見ると、とてつもない労力を要していることが伝わってくる。

見えないウイルスとの戦いで、自身への感染や院内感染の危険を避けて、細心の注意を払いながらの作業は神経を消耗する。

 

ましてや院内感染がおきてしまうと、一気に人手不足に陥り医療体制が崩れる。

医療崩壊だけは防いでほしいと願う。

 

追い打ちをかけて深刻なのが、コロナの影響で病院の経営が厳しくなって、看護師らの賞与が昨年より下がる事態になっているということだ。

危険と隣り合わせの仕事が発生して、本来なら増額されるところなのに、逆に減額されるとはどういうことか、と思ってしまう。

加えて、職員や家族に対する差別と偏見、いやがらせもがあるという。

 

新型コロナ患者を受け入れた病院が赤字に陥っていると聞くと、コロナの診療報酬が実態と合わない低額に抑えられたり、加算すべき項目が見落とされたりしているからでないかと想像してしまう。

 

診療報酬の引き上げは必須だろう。

スタッフが身につける医療用マスク・防護服や手袋は、患者一人ごとに着用する。

動きにくいので時間や手間がかかり効率も悪く体力の消耗も激しい。 

「危険手当」的な発想での加算が必要でないか。

 

コロナ専用病床の入院料引き上げ、呼吸不全の治療への加算、その他コロナ治療に特例的に加算が必要だろう。

コロナ患者の初再診料、外来診療料の引き上げなどの要望も出されている。

 

国も遅ればせながら診療報酬の見直しに動き始めたようだ。

ところで、コロナ治療に対する診療報酬引き上げたとしても、それだけでは赤字の問題が解決しないのだという。

 

院内感染防止のため、コロナ患者エリアと他のエリアを区切るなど施設改修が必要となる。

集中治療室(ICU)の病床をコロナ重症者用に振り替える作業が伴う。空調工事、備品購入も負担となる。

コロナ患者受け入れの要員を厚くし、人員配置の組みなおしにも多大なコストがかかる。

コロナのための空き病床を確保しておかなけばならない。

コロナ感染が終息したときに再度改修が必要になる。

 

感染防止のため病床総数が減る中で、コロナにシフトさせるため通常の入院患者を減らす必要がある。

不急の手術を先送りし、予定していた入院を延期させる。

救急外来でもコロナ以外の病気や怪我の患者の受け入れが減る。

コロナ感染を警戒して、一般患者の受診控えが広まるので外来患者が減る。

これらが収益減につながっていく。

 

このような費用あるいは収入減は、コロナ患者を受け入れたことによって起きたことである。

てんてこ舞いなのに、収益が減って赤字になっている現実はどうにかしなければならない。

 

ただし、これらすべてを診療報酬でカバーするのは適切でない。

施設改修費用などは診療報酬にそぐわない。初期投資の類は別の財源で補填するのが望ましい。

さらに、通常病棟の入院患者が減ったことによる減収、コロナ以外の救急患者が減ったことの減収、予定していた手術を延期した減収などは補償の対象から除くべきだ。

診療行為が発生していないし、コロナによる二次的影響ととらえるべきであろう。

 

コロナ患者を受け入れる病院には国や自治体ほか各方面から要請要望が多い。何らかの補助は妥当である。

国はコロナ対応として慰労金や補助金を出している。地方自治体も独自の支援策に乗り出しているところもある。

だが、収入減をカバーするには桁違いに少ないレベルといわれている。

「GoTo」に1兆円を超す予算が当てられているのに、なんとも頼りない。

 

さて、新型コロナの問題では、いまだに検査体制の不備が改善されていない。

感染者数が増えるのを嫌って検査を制限している印象である。オリンピック開催に悪影響を与えないようにということか。 

医療関係者、介護関係者、疑いがある人、不安のある人、ともかく希望する人には無料または低額で、随時検査できる体制が求められている。

当然のこととして、ホテル借り上げなど軽症者隔離の受け皿を整える必要がある。



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