東平安名崎灯台上から北を望む
羽田から宮古島空港まで、那覇での乗換えを含めて約4時間の旅だ。
宮古島空港について驚いた。ホテルのある中心都市平良市まで、
バスがないのだ。歩いて行ける距離ではない。
仕方がない。タクシーでホテルまで行く。
ホテルは平良市の海沿いにあり、ビジネスホテルの感じた。
バストイレ、朝食つき。
ホテルで観光案内の冊子をもらい、早速夕食をとりに町に出る。
民謡酒場が何軒かある。宮古島民謡を聴いてみたい。
酒はのめないが、チュラチュラという酒場に入る。
沖縄服を着た若い女の子達が小さな舞台で三線を弾きながら歌う。
1時間ほどのショーなのだ。
客は私のほかに二、三組、ちょっと寂しい。
知っている歌もあれば知らない歌もあり、誘われて一緒に歌う。
最後にカチャーシーとよばれる手踊りをならって、立ち上がって一緒におどる。
ショーが終わると地元の客の中年の男女が二人舞台に立った。
男は三線を弾き、女は歌う。
この女性はとても哀調がある歌を歌い、ショーの娘達よりはるかにうまい。
とくに「マムヤのあやぐ」という歌が素敵だった。
あやぐとは宮古島の言葉で歌を意味する。
かって宮古島をはじめとする先島諸島には、
人頭税とよばれる重税が琉球王朝により課せられていた。
子供以外の全ての男女に課せられた重税で、
生き延びるのがやっとだったという。
南の島、ユートピアというイメージがあるが、
かっては遠く離れた大きな島の国家によって、
搾取され苦しめられた歴史がある。
その琉球王朝も薩摩藩によって搾取されていた。
今も沖縄の平均収入が本土の7割、宮古島は沖縄の7割だという。
王朝から派遣された役人の妾になれば税を免ぜられたので、
妾になる女性も多く、
宮古島や八重山の民謡には、捨てられた悲恋を歌ったものや、
妾になれた女性を妬んでからかう歌が多いという。
マムヤもそんな女性で、男に去られて自殺したという。
マラソンコースの東平安名崎には、マムヤの墓がある。
続く