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フレンチ・アニメーション             「ベルヴィル・ランデブー」

2006年01月09日 | 映画、小説
 この映画、自転車雑誌に取り上げられていたので、ご存知の方も多いかと思います。フランスの漫画作家、原作家、アニメーション作家のシルヴァン・ショメ監督の映画です。詳細はこちらをご覧になって下さい。(これから、この映画を観るつもりの方は、「Story」は読まない方が良いかと思います。肝心なところをネタバレさせてますので。)

 このアニメーション、ストーリーといい、絵柄、全体の統一感、雰囲気といい、かなり私のツボにはまりました。ディズニーとは全く方向性が異なる、シュールなアニメーション映画です。

 この映画は、寡黙で孤独な少年シャンピオンと、そのおばあちゃんの物語。両親を早くに亡くし無気力な生活を送っていた少年シャンピオン。おばあちゃんが、シャンピオンがロードレースに興味を持っている事に気付き、彼に三輪車を与えた事によって、シャンピオンは三輪車に夢中になります。
 やがて時は過ぎ、青年となったシャンピオンは、おばあちゃんをトレーナーとして、過酷なロードトレーニングやり抜き、ツール・ド・フランスへの出場を果たします。
 ここから話は予想外の方向へ急展開。この急展開ぶりが気に入るか気に入らないかは観る人次第です。観る人によっては消化不良を感じるかもしれません。私は気に入りました。

 で、このおばあちゃん。エッフェル塔の置物を振れ取り台代わりにして、音叉とペンチでホイールの振れ取りをやってしまうクールな人。日本ではマニアックなエピソードにうつりますけど、ロードレースってフランス文化の一部なんですかね。
 ちなみにこの映画。ロードレーサー特有のスピード感、爽快感の表現はあえて抑えてるようです。シャンピオンに関しては、ストイックにひたすら漕ぎ続けてます。スピード感、爽快感については期待しない方がよいです。

 グラフィック、絵コンテ、動きの指示も(脚本も)監督シルヴァン・ショメによるものらしいですが、今時のアニメらしく3D技術を使っていながら、この独特の絵柄で、キャラクター、背景、3Dオブジェクトに統一感を持たせる手腕も素晴らしいです。リアルな絵柄でなくても、リアルな世界観を構築できるという良い例です。
 デフォルメ、単純化、個性化が苦手な私は、ただ、ただ、恐れ入るばかりです。


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