
デデ(シモーニュ・シニョレ)はベルギーからフランスに流れてきた娼婦。マルコというさえない男に付きまとわれ、娼館「ビッグ・ムーン」で働いています。オーナーのルネ(ベルナール・ブリエ)は、デデに優しく、何かと声をかけてくれます。
ある日、デデが往来を歩いていると、水兵たちの喧嘩騒動にでくわします。そこでフランチェスカ(マルセル・パリエロ)に出会い、互いに気心が知れます。フランチェスカは、貨物船の船長で、武器の密輸もしている男で、あとでわかったことですがルネと旧友でした。
デデは以来、フランチェスカと心を通い合わせるようになり、オーナーのルネはそれを暖かく見守っていました。デデの様子の変化に気が付いたマルコは、気持ちがおさまりません。生活力がなくデデの稼ぎをあてこんで生きているマルコは、デデに店から金を借りろ、とせっつきます。マルコのデデにたいする態度にたいして腹をすえかねたルナは、マルコを店から追い出します。
デデは港をはなれるフランチェスカについていくことを決心します。オーナーのルナ、店の仲間との別れ。フランチェスカとの待ち合わせは波止場、出航は夜中の3時。しかし、この情報を知ったマルコは、波止場で待つフランチェスカを射殺。ルネと現場に着いたデデは、フランチェスカの遺体を目のあたりにします。マルコの仕業とわかったデデは、ルネの車で探します。高跳びするなら駅、ふたりはそこに向かいます。案の定、マルコはそこにいました。ルネは拳銃をつきつけてマルコを波止場に連れ出します。ルネはマルコを殴りつけ、マルコは昏倒。ルネとデデは、地面に倒れているマルコを車で轢きます。「ゆっくりと」とデデ。苦しんで死ね、とデデは思ったのでしょう。