日常のあれこれをそこはなとなく

料理、わんことの日々、海外ミステリを中心とした読書、ソフトバンクホークス、JAZZなどを書いていきます。

橋本治さんを悼む

2019-01-31 05:57:14 | 読書
橋本治さんの訃報が入りました。



ニュースを聞いてびっくりしました。もうそんな年齢かと思いましたが、70歳だそうです。早すぎる気がします。



橋本治さんは現代日本の作家では、もっとも好きな一人です。切れ味鋭い文章によって目から鱗が落ちるような思いを何度もさせてもらいました。何より最初にびっくりしたのは、この『桃尻語訳枕草子』でした。古典文学の最重要作品である枕草子を、女子高生言葉で訳してしまうという発想にぶっ飛びました。ただ、考えてみれば、こ枕草子を書いた当時の清少納言は、まだ若い女性だったわけで、なるほどと感心させたれました。



『窯変源氏物語』には、もっとぶっ飛ばされました。光源氏の一人称による源氏物語に出会えて、本当に幸せな時をいただきました。読んでいて。そうか、そうだよなと思うことしきりでした。知性というのはこういうことを言うのだと教えてくれたのは、橋本治先生でした。

橋本治さんで思い出すのは、村上春樹の初期のエッセイに出ていた次のエピソードです。まだ駆け出しだった村上春樹は、某出版社の山荘で缶詰執筆を経験しました。その時同じ山荘で缶詰していたのが橋本治先生でした。早朝に起きて、ジョギングし、朝から執筆にかかる村上春樹と真逆の生活をしていたのが橋本治先生で、村上春樹の寝る頃に起きだして一晩中執筆し、村上春樹が起きる頃に、寝る準備を始めたそうです。

橋本治先生のご冥福をお祈りいたします。
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