ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』を読みました。
そろそろまだ読んでいない名作を読もうと思いました。ジョイスの『ユリシーズ』はなかなか手強いのがわかっていたので、まずは挑戦しました。ホメロスの『オディッセイア』を下敷きにして、ある一日の出来事をさまざまな文体で描いたのがこの作品です。ジョイスは『ダブリン市民』は読んだことがあったのですが、それにしても手強かったです。
いきなり、意識の流れを克明に追っていく文章に手こずりました。さらに、その場所にいた人々をすべて記述していたり、宗教的な部分では博学的に歴史を遡ってずっと書かれていたりして、読むのが苦痛でした。やっと最後に来たら、主人公の妻の意識が出て来て、句読点なし、ひらがなベースの文で彼女の男性遍歴が語られるという難行苦行でした。
この作品が書かれた時代を考えると、この文体であったり、設定であったりは画期的なものだったと思います。ただ、作品としてどうなのかといえば、読み終わった達成感はありますが、読後感としてはかなり微妙なものでした。やれやれ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます