黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ダージリンは死を招く お茶と探偵1』ローラ・チャイルズ(ランダムハウス講談社)

2005-09-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
こだわりのティーショップ『インディゴ・ティーショップ』を営む女性・セオドシア。アメリカ屈指の茶葉鑑定人・ドレイトンとパティシエ・ヘイリーの3人で切り盛りする店は、大盛況。
ストリートごとに趣向をこらしたイベントを行う、ヘリテッジ協会主催の<ランプライター・ツアー>で賑わう晩、街の邸宅の中庭で出張ティーサロンを開いていたセオドシアたちは、そこでカップを持ったまま息絶えている男性、不動産開発業者のヒューズ・バロンを発見。
容疑をかけられたヘイリーの友人ベサミーの無実を証明する為、セオドシアは素人探偵として調査を開始するが……。

ミステリとしては、ちょっとどうかと思いますが(笑)、雰囲気は楽しく、いい感じです。
舞台はアメリカですが、向こうの方でも中国茶や日本茶を飲むのね~、と思ったり。
『鉄観音』を"慈悲深い鉄の女神"という意味だと説明しているのに、ちょっと笑ってしまいましたが(……確かに/笑)、中国茶の話題の時に出てきた、『天国の祭壇』という名前のお茶が何に該当するのかわからず、悩んでいたり;

<05/9/23>


『コイノカオリ』角田光代、島本理生、栗田有起、生田紗代、宮下奈都、井上荒野(角川書店)

2005-09-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
母と、その若い恋人・イワナさんが纏う同じシャンプーの香り。中学生のわたしは……角田光代『水曜日の恋人』、
定時制高校に通う少年と、同じ学校に通う年上の女性。芳香剤代わりにレモンを置く彼女に思いを寄せた彼だったが、彼女の秘密を知り……島本理生『最後の教室』、
家庭の事情から、マッサージルーム"蜜の味"でバイトを始めた繭子。ハチミツの香りが濃密に漂う、その店のオーナーで、"ママ"と呼ばれる彼……栗田有起『泣きっつらにハニー』、
苦手だけれど、何故か惹かれてしまう、喫煙家の高橋と付き合い始めた佐智子。けれどつい避けてしまい……生田紗代『海のなかには夜』、
恋人ともに故郷から遠く離れた、東北に暮らしはじめた真名。豆のスープを作りながら、生まれたばかりの赤ん坊と彼の帰りを待つが……宮下奈都『日をつなぐ』、
30年ぶりに、恋人を奪った真梨恵と再会した朋子。彼女に誘われ、家を訪れた朋子は、懐かしい椎茸を煮る匂いを嗅ぐ……井上荒野『犬と椎茸』。
……それぞれの恋とそれにまつわる香りの物語6編。

栗田さんの作品が気になったので、読んでみました。非常に栗田さんらしいお話でおもしろかったですが、宮下さんの『日をつなぐ』が静かな文章の中に潜む狂気が、うまいなぁと思いました。

<05/9/22,23>