黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『コリオリの風』井辻朱美(河出書房新社)

2013-03-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
「立ちしままこおりてゆけるビル群のかなたにまぼろしのユラ紀がみゆる」
「霜月のあなたを愛すガラス器のわれくちに冴える青ほどつよく」
「一本の木が鳴りはじめる あれは天を鉱物の夢がとおってゆくのだ」
「きたる世も吹かれておらんコリオリの力にひずむ地球の風に」
「未来のイブがみずから抱きてかき鳴らす胸郭のような夕日の肋木」
「オートマタの道化師がゆっくり倒立し物語に閉じこめられる身体」
「こはたれの心臓なりしか薔薇水晶 水よりあげればピアノがひびく」
歌人・井辻朱美の短歌集。

井辻さんはファンタジー系の翻訳家さんというイメージだったのですが、短歌も詠まれていたのですね~。
ちょっとSF的だったり、ファンタジックなモチーフもありつつ、若々しさを感じる作品群でした。

<13/3/29>