黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『みちくさ道中』木内昇(平凡社)

2013-03-19 | 読了本(小説、エッセイ等)
仕事中、脳内で繰り広げてしまった忍者来襲の妄想…同じようなトンデモ妄想を語る人に出会い共感するけれど言い出せなかったエピソード。昨今の「あげる」という言葉の使われ方。数字で計かれないものの重要性について。編集者を経て作家となった著者の思うあれこれ……“まっすぐ働く”、
学生時代の、印象深いお弁当のこと。街で一度出会った人に別の場所で見かけることが多いことから、その特殊能力を活かす方法を考える。高校時代のソフト部の仲間とのこと等々、さまざまを語る……“ひっそり暮らす”、
『銀河鉄道999』の効果。子供向けに書かれた本を好まず、『雨月物語』や『怪談』を好んだ子供時代。あらゆる作品に出てくる女たちの比較。大した贅沢もしていないのに金が貯まらず、知らぬうちに吸い取られているのではと密かに疑う日の中で出会った百間……等、主に本に関わるあれこれを語る“じわじわ読む”、
文学少女ではなく、部活漬けだった子供時代のこと。幼い頃、妙な話ばかりを書くことを危惧し、日記を強制されたこと。執筆に対する姿勢、直木賞受賞前後の事柄等“たんたんと書く”の四部構成で綴られたエッセイ集。

描かれる世界がじんわりと風情のある時代物だったので、もっとオトナ真面目な方なのかと思ったのですが……確かに真摯だし真面目な方ではあると思うのですが…思いのほか楽しい方で、思わずくすりと笑ってしまうエッセイでした。というか、すごく思う事柄に共通点が多くて、他人とは思えず(笑)。

<13/3/19>