黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『護国の剣 御算用日記』六道慧(光文社)

2013-03-07 | 読了本(小説、エッセイ等)
文化八年、六月朔日。生田数之進の千両智恵が評判となり、その智恵を借りにきた人々が長屋で列を成す始末。友である早乙女一角は、ただでも引き受けてしまう数之進を気づかい、何とか追い返すが、その中のひとりが善意に付け込み、頼みごとをする。それは亀戸村の百姓・平助が、手のつけられなくなった竹林を畑に替えたいという内容。
さらに雑司が谷の岩田屋という植木屋の主・清治郎から、変化朝顔を美しく咲いた状態で客に見せる為の工夫について相談される。
その後、平助の元を訪れた数之進たちは襲われるが、間一髪、鳥海左門たちが現われ、救われる。平助は金で一之進を呼び出すように頼まれた男だったのだった。鳥海の屋敷に投げ文があり、数之進の善意につけこみ、始末しようとする輩がいる、と知らせる者がいたらしい。それ故に警戒していたのだった。さらに<此度の潜入は危険。待ち受けるのは虎と狼だ>と、御算用者として潜入する件についても、その危険性を示していたという投げ文。
そんな彼らが潜入することになったのは、肥後国人見藩。
前藩主長良志摩守は、三月上旬領地で亡くなっており、その後、江戸屋敷において、近習が二人、御法度の殉死を犯したとの疑惑が持たれていた。亡くなった二人は、四天王と呼ばれ、藩主と密接な関係にあった者たち。残る二人のうちひとりは病により実家へ帰ったとされ、もうひとりの伊沢喜内は、家老の嫡男だった。
藩の本所の抱屋敷では、朝顔などを育てていて、朝顔屋敷と呼ばれているという。清治郎の頼まれごとの参考に出かけていた朝顔の市で、人見藩の侍たちが、ある特徴を持った変化朝顔を探しているらしいのを目撃する数之進たちだったが……

シリーズ第十弾。潜入前から襲われたり、さらに命の危険にさらされたりな数之進。いつもにもましててんやわんやな感じで。
シリーズ的に区切りのよい巻数の所為か、巻末に解説なども入ったりしてます。

<13/3/6,7>