黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『福家警部補の報告』大倉崇裕(東京創元社)

2013-03-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
実力派少女漫画家の河出みどりは、大手出版社湧泉舎の営業部長・三浦真理子を殺してしまった。
学生時代、一緒に同人誌を出し、漫画家の夢を追っていた二人だったが、みどりのデビューを機に袂を分かっていた。その後、真理子は敏腕営業部長となり、今やみどりの生殺与奪を握る存在となっていた。
真理子の妨害によるものか、漫画家としての将来に陰りが見え始めたみどり。事の真偽を正そうと真理子のマンションにやってきたのだが、そんな彼女に潰してやると云われたことから、殺害に及んでしまったのだった。
バスルームに運び込み、足を怪我していた彼女が誤って転倒した風に装う。
そんな現場にやってきた福家警部補は、残された違和感を調査してゆく……“禁断の筋書(プロット)”、
解散した暴力団・栗山組の元組長の孫娘である栗山比奈が、誘拐された。誘拐したのは邦孝の義弟である栗山次郎。邦孝に元組員たちをあつめて、宿敵である飯森組に殴り込めと要求。
四代目となるはずだった組長の息子・邦孝は組をつがず、組の幹部だった菅原巽は、組員たちのその後を亡き組長に託され、その就職先に奔走していた。元組員で唯一堅気の道を拒否した金沢肇から、その一件を連絡をうけた菅原。
組を抜けた後、薬を売りさばいていた金沢をよく思っていなかった菅原は、ふたりを同士討ちに見せかけて殺害する。
監禁されていた比奈は無事で、殺害現場も見ていない様子。ガムテープで目隠しされていた彼女をそのままに、見つかりやすいように細工してその場を後にした菅原。
その後、現場を見た福家警部補は、彼女が実は事件を目撃し、犯人を知っているのではないかと考えるが、何故か比奈は沈黙を貫いていた……“少女の沈黙”、
三帆銀行に銀行強盗をもくろんでいた3人組…網山聡、鳥島秀、麻生孝史を車ごと爆破した老人・後藤秀治。
彼らは先々週に起きた宝石店強盗未遂事件の容疑者たちで、次の犯行を未然に知った後藤とその車椅子の妻・喜子は、彼らに鉄槌を下したのだった。
福家警部補は、現場を調査し、彼らの元へたどり着くが……“女神の微笑”の3編収録。

シリーズ第3弾。小柄で年齢不詳、多趣味(というかマニアック)でそそっかしい女性警部補・福家さんの活躍する倒叙ミステリ。
今回も相変わらずのそそっかしさを発揮というか、レベルアップしてるような(刑事に見られないのはもはやお約束/笑)。
最後のお話のふたり(というか彼女)は、今後も福家警部補の前に現れそうなので、対決が楽しみ♪

<13/3/26,27>