黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『キッド・ピストルズの醜態 パンク=マザーグースの事件簿』山口雅也(光文社)

2010-10-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
作家ジェイムズ・ノーマンは気がつくと見知らぬ一室におり、そこには首を切断された老人が…。そしてノーマンのポケットには、知らぬ間にマザーグースの唄が書かれた紙片が入れられていた。
老人は金融業者ロバート・コーエン。ノーマンは、コーエンから依頼された伝記の執筆を引き受けており、コーエンについての情報提供をするという何者かに連絡を受け、呼び出されていたのだが、意識を失わされた上、密室に置き去りにされたのだった。
その直後、部屋を訪れた青年弁護士ロナルド・ギャラガーが、彼らに遭遇していた。
そんな事件を調べることになった、首都警察刑事のキッド・ピストルズと部下のピンク・ベラドンナ。
部屋はひどく散らかっていたが、被害者は<片づけられない症候群>であったらしい……『だらしない男の密室 キッド・ピストルズの醜態』、
かつてロンドンを、いや世界中を震撼させた連続皮剥ぎ殺人<革服の男>。彼を逮捕した直後、捕らえられていた三人のうち、二人は生還したが、一人は遺体で発見された。
その一年後。ジル・マーテルは、朝霧の深い中を歩いていると、近所に住むエレン・ウィンターズに遭遇。ところがそんな彼女が、<革服の男>めいた人影に襲われるのを見て、後を追う。途中で、エレンと離婚調停中の夫・フランクと遭遇し、一緒に追跡。しかし結局、エレンは何事もなかったように家にいて、襲われたことを認めない。
その体験を首都警察に相談にいったジル。そしてその言葉を検証することになったキッドたちだったが……『《革服の男》が多過ぎる』、
マザーグースの童謡どおりの残忍な見立て殺人、娼婦を斧で四十一回もメッタ斬りにした事件が発生。
その事件の捜査に協力することになった、キッドとピンク。J.D.キンロス博士の新しい画期的なシステムを採用しての捜査らしい。
一方、気がつくと、病院らしい建物にいた三人の男たち……ロックミュージシャンのジェリー、投資家ジェイムズ、医師のジョン。三人はそっくりで、兄弟のようだった。建物を歩き回る中で、唄のとおりに次々に事件が起き……『三人の災厄の息子の冒険 キッド・ピストルズの醜態、再び』の3編収録。

パラレルな英国を舞台にしてパンクな二人の刑事が謎に挑むシリーズ。6作目?
ミステリ的にフェアかアンフェアかは微妙なところもあるけれど、実にキッドシリーズらしいといえば、らしい展開(笑)。

<10/10/26,27>