黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『マリアビートル』伊坂幸太郎(角川書店)

2010-10-20 | 読了本(小説、エッセイ等)
アル中の元殺し屋である木村雄一は、六歳の息子・渉をデパートの屋上から突き落とし、重傷を負わせた中学生・王子慧が、盛岡行きの東北新幹線<はやて>に乗るという情報を得て、復讐すべく乗り込んだ。首尾よく相手を発見するも、それは狡猾な王子の罠で、逆に意識不明で入院している渉に危害を加えると脅され、彼の言う事を聞く羽目に。
一方、裏の世界で恐れられている男・峰岸良夫から、誘拐された彼の息子を助け出し、身代金の入った黒いトランクを取り戻してくるという依頼を受けた二人組の腕利きの青年たち…文学好きの“蜜柑”と機関車トーマスをこよなく愛する“檸檬”。首尾よく都内に監禁されていた息子を助け出した彼らは、盛岡の峰岸の元に向かうべく、<はやて>に乗り込んだ。
さらに、仲介人・真莉亜の受けた、<はやて>の中から黒いトランクを盗み出して、新幹線を降りるだけ、という簡単な仕事を遂行することになった男・七尾。
首尾よくトランクを手にした七尾だったが、生来の運の悪さを発揮し、彼を仇敵と狙う男・狼に出会い、新幹線を降り損ねてしまう……そのトランクは蜜柑たちが運んでいた物。
やがてトランク盗難に気づいた蜜柑たちは、その捜索に気をとられている隙に、峰岸の息子は何者かに殺害されてしまう。峰岸にこの事が知れては、彼ら自身の身が危ういと焦る。
そんな中、ただならぬ雰囲気を察知し、彼らを撹乱するように動く王子と、その指示に従わざるを得ない木村は……

『グラスホッパー』の続編、というか姉妹編的な感じ?
さまざまな思惑の元、盛岡行きの新幹線に乗り合わせた人々の攻防戦。
どこにでもトーマスを引き合いに出してくる檸檬とか、笑っちゃうくらい運の悪い七尾などのキャラクタのコミカルさもさることながら、息をもつかせぬ展開でとても楽しめました♪

<10/10/19,20>