黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『琉璃玉の耳輪』津原泰水/尾崎翠:原案(河出書房新社)

2010-10-11 | 読了本(小説、エッセイ等)
昭和三年。東京探偵社の代表、名探偵唐草七郎の一番弟子である女探偵・岡田明子に指名して依頼が舞い込んだ。
ベールを下ろした洋装の夫人で、支那人の黄家の三姉妹を探して欲しいという……長女は瑶子で22、次女は瑩子(※瑩は王偏がつく漢字)で20、末娘が子。それぞれに、左の耳に一粒の琉璃玉が嵌った白金の耳輪をしているのが目印だという。その三人を一年後の今夜…四月十五日の夜、丸の内ホテル西館の十五番室に連れてくるように、というのが依頼内容。
そんな彼女たちを探すべく奔走する明子だったが、同様に姉妹の行方を気にする人々が、それぞれの思惑で動き……

尾崎翠さんが昭和二年に映画の公募の為に書いた脚本を原案に、津原さんが書いた作品。
乱歩とかあの辺りを彷彿とさせる、ちょっと猥雑で怪しげな雰囲気がよく著されていて、面白かったです。
ただ主役と思われた明子の陰はだんだん薄くなっちゃってますが(笑)。

<10/10/9~11>