黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『SOSの猿』伊坂幸太郎(中央公論新社)

2009-12-09 | 読了本(小説、エッセイ等)
家電量販店で働く遠藤二郎は、他人の発する<SOS>に反応してしまう性格。ある日、中学時代に憧れた<辺見のお姉さん>から、引きこもりになっている息子の眞人について相談される。二郎の母が、彼女に二郎は訪問カウンセラーをしていると吹聴したからだが、実際は、イタリア留学時に友人の父である神父から悪魔祓いの技を習得した<エクソシスト>だった。
結局断り切れずに、辺見家に赴くことになった二郎は、眞人がたびたび訪れていたというコンビニに話を訊きにいく。
一方、桑原システムの社員である五十嵐真は、生真面目で、何事も論理的に考え、突き詰める性格。
ある日、彼の勤める会社のシステムを使っている菩薩証券で、20分で300億円という多額の損失を出した株誤発注事故が発生。そのミスをシステムの所為にしたがっている先方の意図を回避すべく、問題の証券会社の社員やその周辺に聞き取り調査を始めた五十嵐。その彼の前には、奇怪な幻想が現れて……

引きこもりの青年の問題に関わることになった、家電販売員でエクソシストな二郎の『僕の話』と、五十嵐が誤発注問題を調べる『猿の話』が交互に語られ、そこに西遊記がミックスしてきたり~なお話。
前作同様、新しい方向に向かおうとしている伊坂さん、という姿が垣間見れるのですが、ちょっと判断が難しい感じ(随所に魅力的な部分はあるのですが、微妙に乗り切れない感じが…)。
個人的に、表紙の写真が、どうやって撮られたのかがすごく気になります(笑)。

<09/12/8,9>