黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『いかさま師』柳原慧(宝島社)

2005-10-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
本のデザインを手掛ける高林紗貴は、ある日、自宅で一通の遺言状を見つける。それは、明治の文学者・鷲沢絵林の息子であり、30年前に謎の自殺を遂げた画家・鷲沢絖のものだった。そこには自分の絵をすべて、彼女の母・ナオに遺す旨が記されていた。
鷲沢の自宅に問い合わせると、そこには区役所の人間がおり、絖の妻・ミネがゴミ屋敷と化した鷲沢邸で亡くなっていることを告げられる。
病床にある母に代わり、鷲沢家を訪れた彼女は、幼い頃そこへ訪れた事を……そこで見た一枚の絵画について思い出す。そしてその絵が謎めいた画家、ラ・トゥールのものであると確信する紗貴。
しかし、あるべきはずのそのラ・トゥールの絵が鷲沢家に見当たらない。時価数億とも、数十億とも言われるラ・トゥールの絵は、どこに消えてしまったのか。
そんな中、彼女の周辺で不気味な出来事が起こり始め……。
絖の娘・摩里の息子である鋭士、年下の恋人・優、そして幼い頃に自分を捨てた父・敬一……誰が味方で誰が敵なのか?

さくさくテンポよく読めて、楽しい作品でした。

<05/10/24>