Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

バカフィルタはWebを変えるか

2007-11-19 19:36:37 | Technology

 そもそも「バカフィルタ」ってすごい名前ですが、元々の英語がStupidFilterなんだから仕方がないですよね。

 さて、Webを見回してみると、いわゆる”荒らし”や”スパム”がそこかしこにあふれているわけです。私のブログにもたまにスパムが張られますけれど・・・はっきり言って目にするだけで不愉快ですよね。そういう不快な文字列を排除すれば、今よりもネットは幸せになれる・・・かどうかは分かりませんが、ニコニコ動画のNG設定が、荒らしコメントに対して絶大な威力を誇ることからも、普通の人にとってはそうした方が気持ちよくネットを利用できるかな?とは思います。

 しかしながら、ニコニコ動画みたいな閉鎖的なインターフェイスの中でならともかくとして、Web全体となるとなかなかそううまくはいかないもの。それこそブラウザにフィルタでも仕込まない限りは・・・そして、それはどうやら実行に移されるようです。

汎用「バカフィルタ」の開発始まる Slashdot

ようするに、spam対策等で使われるベイジアンフィルタ等の技術を応用して、spamのみならず「荒らし」や下品な表現、オフトピックな言論、ネットイナゴの類の自動検出を目指しているようである。

 同じく、不愉快なモノを見ないためのスパムフィルタの技術をWeb世界にも広げようというこの試み。とりあえずはブログとかSNSとかのサービス運営元に実装してもらって、トラックバックスパムやコメントスパムを何とかして欲しい次第です。

 ・・・とは言え。

 この手のフィルタの問題点として、やり過ぎてしまえばそれ自体が言論封殺の悪意のあるツールになってしまう可能性もあるわけです。例えば、いや本当に例えばの話、このオープンソース・フィルタの開発者が、「Windows」とか「Vista」とか「IE」とか「Microsoft」と言った単語を”NGワード”に設定してしまうと、フィルタをかけている人たちにはそれらのページが見えなくなってしまうわけで。さすがにそれはないとしても、中小企業の名前とか製品名をNGワード設定してしまうことで、それらの記事を見ることが出来なくなってしまったり、何でもない言葉が検索できなくなったりする・・・なんていう諸刃の剣だと言うことを認識しておく必要があるとは思います。

 まあ、そういう懸念はやや大げさだとしても・・・ネットから特定の言葉を消し去ってしまうという試みは、ある意味で健全じゃない気もします。そもそもの話、絶対にその穴をくぐり抜ける「バカ」はいるでしょうしね。そうなると、巧妙なバカには効果が無く、必要な記事まで表示できない中途半端なものになってしまうことになりますよね・・・

 Slashdotのコメントを借りてこれば、

人間が馬鹿除けを作ろうなど、おこがましいとは思わんかね。

と言うことですかねえ。とりあえず、アメリカでフェードアウトせず、日本語対応となったならそれなりに使えるツールと言うことで、導入の価値ありって事でしょう。果報は寝て待て。


電子辞書よ、どこへ行く

2007-11-18 23:59:59 | Technology

 電子辞書というジャンルが出来てから、もうずいぶんと時間が経ちました。ちょっと調べてみますと、1979年11月にシャープが発売したのがはじめだとか。登場からすでに28年が経っている訳で、携帯電子デバイスの中ではだいぶ古参なんですね。

 WIndows95が流行った頃から、まだ10年ちょっとしか経っていない事からも分かるように、28年間と言いますと、コンピューターの世界では、それはそれは途方もない時間な訳です。それこそ、CPUの性能は32倍くらいになり、搭載メモリは200倍以上になり、HDDの容量は500倍くらいになりました。同じように、電子辞書についても、入っている辞書の冊数が、1冊から本棚いっぱいくらいになり、ムービーや図版が表示できたり、英語の発音が聞き取れたり出来るようになったのです。

 そして、ここからが問題。有り余るマシンスペックを無駄にしないため、電子辞書はいろいろな付加機能を取り込むという選択をしたのです。その結果、最新の電子辞書は、こんな事が出来るようになりました。

シャープ、ワンセグ対応で音声図鑑収録の電子辞書 ケータイWatch

 機能面では、スライドショー形式で閲覧できる「フォトスライド」機能、SDカード内の写真を電源ON時に表示する画像に設定できる機能、手書きで文字を認識する「手書きパッド」、ワンセグ視聴機能、MP3形式の楽曲再生機能などをサポートする。

 SDカード内の写真とMP3が再生できて、ワンセグも試聴できる。大画面且つ高精細のカラー液晶を搭載し、ネイティブスピーカーやクラシックの音源を再生できるチップの性能をうまく生かした付加機能ですね・・・って、本当にいるの?こんな機能。

 最近の電子辞書のターゲットの中で、割合大きな位置を占める中高生に向けての機能だと思うんですけれど、MP3とか写真の再生とかワンセグとかって、本来の電子辞書というデバイスからすれば、全くいらないどころかむしろ学習の邪魔になる機能ですよね。そりゃMP3は英語教材とかを入れておくという事も出来ますけれど・・・電池寿命をすり減らすワンセグは全く持っていらないと思います。

 それとも、メーカーは、電子辞書という名前を付けて親の購入障壁を下げ、中高生にはメディアプレイヤーというエサをぶら下げることで訴求力を高めるという戦法を採っているというわけでしょうか。

 市場的には停滞気味らしいのでiPodのライバルにはなれなさそうですけれど、デバイスとしては間違った意味でおもしろい真価を遂げている電子辞書。今度はキーボードを生かした、データを打ち込みやすいスケジュール管理とか、大画面を生かしたフルブラウザとWiFi、YouTube閲覧機能とかが付いてくるかも知れませんね・・・もっとも、そのときには”辞書”の二文字は消えているかも知れませんが。


天井知らずの石油価格 悪いのは・・・

2007-11-17 23:59:59 | Thinkings

 つい先日、ガソリンが150円に届いてしまい、月に数百円の上昇といえどがっくり来ているところですけれど、ここに来て、また来月5円上がるという追い打ちが来てしまいました。

 ・・・私が車に乗り始めた頃は1リットル100円くらいでしたので、都合1.5倍になっているわけです。そう考えるとここ数年でとんでもなく価格が上がっています。特にここ最近の値の上がり方はいかにも急で、何とも不自然ですが・・・一体何が原因でこんな事になってしまったのでしょうか?

 石油の需要増という面から考えると、中国や発展途上国における使用量の上昇によって、それらの国が市場に占める割合が増えたことで、先進国が割を食っていると言う点が上げられます。需要が高まれば価格はあがる。ある意味当然ですが・・・問題は、その市場原理を超えて、価格が高くなっていると言うことです。

 ではその要因・・・というか価格をつり上げている連中は何なのかというと、ファンドや先物ブローカー・・・いわゆる”投機筋”と言うやつです。

原油『100ドル乗せ』 熱い攻防 投機筋、買い仕掛け 消費国側は“冷却”に懸命 東京新聞

 関係者によると先週、原油先物が一バレル=九三ドルから一気に九八ドルを超え、一〇〇ドル寸前まで急伸したのもこうした投機筋が仕掛けた。ヘッジファンドや投資銀行は原油先物相場が一〇〇ドルを超えると予想し、一〇〇ドルで原油を買える権利を大量に取得。大台を超えて価格がさらに上がれば、権利を行使し、一〇〇ドルで買った原油を売って大もうけできるため、「大台乗せを狙い大量の買いを入れた」(業界筋)。

 簡単に説明すると、まず相場に関係なく100ドルで原油を買える権利を取得します。今後原油の取引価格が100ドルを超えた場合、差額がそのままファンドの利益になりますが、100ドルを下回った場合は権利取得に使った額の損になります。ファンドにしてみれば、100ドルを超えてもらわないと儲けられないわけです。

 つまり、一部の投資家のために、世界の原油価格が振り回されているというわけです。

 さらに悪いことに、価格高沸に加えて原油備蓄量の低下や、サブプライムローン問題によるファンドの鞍替えなど、原油取引に対する注目がますます高まっていることで、しばらく投資家の目は離れそうにありません・・・

 つか、明らかに公共の利益とか、国際社会に悪影響を及ぼしているこういう先物取引に対して、政治的介入とかしないんでしょうかねえ。いくら自由経済が建前とか言っていても、このまま価格が上がりすぎると”バブル”がはじけてしまうような気がしないでもありませんし・・・困るのは投資家だけでしょうからね。

 とりあえず、輸入国である日本が出来ることは・・・まずガソリン税を下げて、市場価格を抑えることが重要だと思います。一度縮小した市場はなかなか回復しませんよ?
 真面目な話、150円超えが数ヶ月続いたら、検討する必要が出てくるのではないでしょうか・・・


分散コンピューティングで「アニメ」は何か違う気がする

2007-11-16 19:58:11 | Thinkings

 始めに話題になった分散コンピューティングというと、seti@Homeが上げられます。これは何かと言いますと、通常、PCのCPUパワーが常に100%で動くことはありません。つまり、計算能力のリソースは常に余っている状態なのです。そこで、家庭のPCに専用のソフトウェアをインストールしてもらって常駐し、ダウンロードしてきたデータを処理しようというのです。つまり、世界中のPCをネットで繋げて余ったリソースをまとめることで、1台のスパコンのように使おうという仕組みです。

 この仕組みは、近年ではゲノムの解析や新薬の開発など、途方もない処理能力が求められるプロジェクトに受け継がれており、PS3でも同様のプロジェクトが立ち上がったことが一時期話題になりました。

 これらは、「宇宙開発のため」「ゲノム解析による研究のため」など、割と公益性の高いものに使われてきましたが、ここに来て、なんだかずれたモノが出てきました。

NTTデータなど3社、分散コンピューティングによるCGアニメ制作プロジェクト Nikkei Treandy Net

 NTTデータは11月15日、ゲーム用ソフトの企画・開発を行うWHIRLWINDと、CGコンテンツの企画・制作などを手がけるイージアと共同で、分散型コンピューティングを使ってデジタル・ハイビジョン対応アニメーションを制作する実証実験を開始した。一般から広く参加者を募り、参加者のパソコンで手分けをして画像処理(レンダリング)を行う。

 NTTが手がけるサイエンスやエンターテイメントの分散コンピューティング事業の一環だそうですけれど・・・

 タイトルでも書きましたけれど、一般から無料でリソースを集めてきて、やることは「HDアニメ」というのは、なんだか違う気がします。確かに、興味を引くのはいいかもしれませんから、人を集めてのグリッドネットワークの実験にはいいかもしれません。しかし、できあがるのが「一過性の特殊な商品」で、最終的に企業が利益を独占するようなものだと、他人の善意を集めた分散コンピューティングでやる意味が果たしてあるのかと思うわけです。

 新薬もそうかも知れませんけれど、アニメよりは現実的に人を救うことになるでしょう。ゲノムの研究にしたって、医療や生物学の未来を開くかも知れません。公益性という観点から言えば、今回のプロジェクトとは段違いだと考えています。

 嫌なら参加しなければいい訳で、私はそのとおり参加しないわけですけれど・・・なんとなーく、こういうお金の匂いがするプロジェクトに、こういう技術は使って欲しくないなあ、と変にもやもやとした気分になってしまいました。

 考え方は人それぞれ。参加するもよし、成果だけ見るのもよし、華麗に無視するもよし。とりあえずWebサイトにだけリンクを張っておきます。

デジタルハイビジョン環境における第3世代アニメーションの研究と実証


Web2.0の正体

2007-11-15 20:30:19 | Thinkings

 Web2.0・・・いわゆるネットバブルが終わって、企業が淘汰され始めてから、こぞって使われ始めた便利な言葉。しかしながら、使っている当人たち以外には(も含めて?)何が2.0なのかさっぱり分からない「バズワード」、つまりハッタリ的な言葉とされているものです。
 この言葉を初めて使ったのはティム・オライリーというコンピューター関連出版会社の社長。彼が、自著の中で語ったのが最初だと言われています。

 で、Web2.0って結局バズワードだったのか、初めて使った人が分かっているなら、その人に聞いてみるのが一番早いんじゃない?という企画が紹介されています。ちなみに聞き手は、2chとニコニコ動画で有名なひろゆき氏。元々Web2.0について否定的な態度をとり続けている彼が、一体どんな形で聞いていくのか注目して見てみました。

 以下の引用はこの記事から。

ひろゆきがティム・オライリーに直接きいた、「Web2.0ってなんだったの?」 CNET

 さて、結局Web2.0は何だったのか、という事を、結論ありきではしょってしまうと、たぶん分からない。で、オライリー氏の言葉を少しずつ引用しつつ、解説を入れていこうと思います。とはいえ、元の記事もすこぶるわかりやすいので、蛇足にしかならないと思いますけれど。

 まず、彼の言うWeb2.0という呼び方は、ものすごく単純な意味だったと言うこと。

 そのキーワードは、彼曰く“Return of the Web”。帰ってきたWebと訳せばいいでしょうか。

ばからしい名前だよ。ウェブの新しいバージョンだと思っている人が多いし、そういう意味で使ったんじゃないのに。この言葉を使ったのは、みんな、ドットコムバブルの後、ウェブが終わったと思っていたからだ。でもウェブは戻ってきた。「Return of the Web」なんだ。

 Webは一度死んで、生まれ変わった。だからWeb2.0だって事ですね。単純にそういう事で名前を付けられたわけで、別にWebが劇的に変わったとかいうポジティブな意味は全くないって事です。わかりやすい例を挙げれば、欧米で某”2世”を名乗るようなものでしょうかね。

 でも、一度死んだものが生まれ変わるには、やはりそれ相応の理由がいります。
 そこででてくるのが価値の転換。別にWeb自体が変わったわけではなくて、ビジネスとか、人々のWebのとらえ方が変わったんだ、っていう考え方です。

 インターネット上ではみんな同じソフトを使ってるんだから。Apacheとかブラウザとか、みんなフリーでしょ。価値が無くなったかというとそうではない。IBMのPCのときは、価値のあるところがハードからソフトに変化したってこと。つまり、インターネットはソフトウェアの価値を何か違うところに持っていこうとしてる。それは何か。それが、Web 2.0なんだ。

 すっごい抽象的な話なんですけれど、それがWeb2.0らしいですよ?まあ、一番インパクトのある部分を引用してきたんで分かりづらいのも仕方ないですけれど・・・
 IBMがDOS/Vを作ってから、PCのハードウェアで「会社ごとの独自仕様」ってのは全くはやらなくなってしまった訳ですよ。そして、Windows、Linuxが出てきて、「どんなハードウェアを買うか」ではなくって、「どのソフトウェアを使うか」に興味が移っていったわけです。それと同様に、フリーのブラウザやメーラーが選び放題で、機能的にもどれも必要十分になった今、「どのソフトウェアを使うか」から「どんなWebサービスを使うか」に世間がシフトした。

私が考えているのは、まず、ユーザーが中心となって巨大データベースを作り、多くの人が使えば使うほどそのデータベースは良くなっていってるってこと。

 つまり、世間様がWebサービスに目を向けた時、ハードウェアからソフトウェアに価値が移ったように、次はどこに価値が移るかを考えたとき、次に来るのはデータの蓄積と運用であろう言っている訳です。

 Googleは、その膨大な検索結果から、巨大なナレッジデータベースを構築し、商売に使っている。Amazonも、カタログにユーザーがコメントを付けることで、ただの商品を並べているだけの他社のカタログに比べてずっと有用な情報をユーザーに提供している。これらは、データベースを日々動的に、不特定多数が手を入れられる(入れている)Webありきのサービスで、そこがまさにWeb2.0だという言うわけです。
 そういう意味では、Wikipediaなんかも間違いなくそう。Linuxとかのオープンソース「コミュニティ」もそれに含まれるかもしれません。

 結局のところ、Web2.0は、Webの「概念」に名前を付けたに過ぎません。
 何でもかんでもWebに載せていくだけという「静的な世代」から、外部からの知識を蓄えて、うまいこと使っていく「動的な世代」に入ったみたい。でもWebの技術とか仕組みとか、そういう根本的なところは何も変わっていないし、サービスのあり方も今までの延長が多くて、変わったと思うのはデータベースの使い方とかいうすっごい抽象的なことしか言えないから、とりあえずWeb2.0って名前を付けたって寸法です。

 要するに、Web2.0って安易に言っているサービスとか企業に対しては、まず身構えておいた方がいいですよ?ってことらしい。そんな抽象的な事をウリにするよりも、もっと具体的なサービスの内容を前面に出して勝負している会社の方が、ずっと信用できそうだって事です。

 そう考えると、やっぱりWeb2.0っていうのは「まずバズワードありき」だって思っておいた方がいいのかも知れませんね。


鉱山跡地の秘密基地

2007-11-14 19:03:08 | Technology

 地下にはロマンがあります。
 ロマンと言っても、男女間の事とは真逆の、もっと子供っぽい・・・そう男の子のロマンってヤツです。

 地下の大空洞に、大規模なジオフロント構想。洪水を防ぐための神殿のような地下貯水池。そして、縦横無尽に張り巡らされた鉱山の採掘坑。地上からは想像も出来ないようなものが、この地下につくられ、何かが動いている。なんだかわくわくしませんか。
 テレビのヒーローものだと、敵も味方も、秘密基地と言えば地下にあるものですしね。

 ヒーローものではありませんけれど、「秘密基地」という呼び方がぴったりの施設が、2010年、日本に誕生するようです。その中で働くのは、改造人間と戦闘員ではなく、大量のサーバーとストレージです。

サン,IIJ,ベリングなどが鉱山採掘跡地に地底IDC,2010年4月に稼働 ITpro

サン・マイクロシステムズ,インターネットイニシアティブ(IIJ),ベリングポイントなど12団体は,2010年4月に鉱山採掘跡地を利用したデータセンター(写真)を構築することを目指す「地底空間トレステッド・エコ・データセンター・プロジェクト」を11月14日に発足させた。

 何でも、地下に作ることによってセキュリティの向上が見込め、さらに地上に比べて温度変化が少なく、年間を通して15度程度の気温が見込めることと、地下水を使った冷却システムを使うことで、消費電力を50%も削減できるそうです。このあたりは地下様々ですね。一番怖いのは地震みたいですけれど、影響の少ない強固な岩盤を事前に調査し、すでに候補地も決まっているようです。

 肝心のその場所はと言いますと、秘密基地のお約束で「非公開」とのこと。どこにあるのかが分からなければ、確かに物理的なセキュリティは向上しますよね。

 実際の運用目的は、企業や自治体向けのサーバー能力のレンタル。サーバーを大量集約して管理を容易にし、膨大なリソースを切り売りすることで、安価に事業展開が出来るというわけです。

 裏を返せば、そこが占拠されたりすると、とんでもない被害が出ることを意味しますので・・・だから地下に作る必要があったわけですね。何とも秘密基地に似つかわしい施設。私たち一般人に、本格稼働のニュースすら届くことは怪しいですよね。


Androidソフトウェアコンテスト開催

2007-11-13 20:04:40 | Technology

 以前のこのエントリで、

 最初にまず断っておきますが、私はGoogle製のオープンソース携帯電話OS「Android」について、エンドユーザーが得られる恩恵とは「価格だけ」だと考えています。

などとのたまった私ですが、全面的にその発言を撤回します。なぜなら、GoogleがiPhoneとは真逆の戦略を採ってきたからです。

「あなたの“Google携帯”作って」――AndroidでiPhoneライクなUIも ITmedia

「携帯電話の『Hello,World!』を」――米Googleが、携帯電話向けオープンプラットフォーム「Android」のSDKを公開。Google Mapsとアドレス帳を組み合わせたアプリや、iPhoneのようなタッチスクリーンUIなどを、YouTubeに投稿した動画で紹介している。

 今回のこのプロジェクトがもたらす状況を考えてみますと、驚くべき事に、Androidを乗せた携帯電話が市場に出回る頃には、すでに大量の対応アプリケーションがインストールを待っている状態になります。私は「携帯電話のPC化」と言う言葉に対して大きなミスリードをしていたようです。ソフトウェアがあふれ、自由に環境をカスタマイズできる端末を、「PC」以外のなんと呼べばいいのでしょうか。
 このプロジェクトにauが関わっていることを、喜ばないわけにはいきません。

 Googleらしいと言えばそうなんでしょうけれど、まさかここまで自由度の高いSDKをリリースしてくるとは正直思っていませんでした。と言うよりも、まだ市場投入されていない携帯OSのSDKを早々と公開し、それどころかそれを大々的に「広告塔」にしてくるなんて予想外もいいところです。

 iPhoneは、現在に至るも勝手アプリを認めておらず、正式なSDKの登場する来年の2月まで待たなくてはなりません。元々、「革新的なインターフェイス」「iPodとの融合」という「アップルのリソース」こそがiPhoneの戦略でありましたから、ある意味当然なのかも知れません。対して、GoogleはAndroidの戦略を、「無償」と「自由」という「Googleのカラー」に設定してきたのです。

 どちらが勝つか?なんて野暮なことは市場が決めることですが、私にはAndroidが急に魅力的なプラットフォームに見えてきました。

ソフトウェアの開発については、最大限と言ってもいいくらいに敷居を下げてきたGoogle。後は実機が出てきたときに、どれくらい簡単にソフトウェアのインストールができるのか。そして、SDKを早々とリリースし、携帯電話に乗せる以上は、ほぼ100%ネットワークにつながるというその性質上、セキュリティ問題をどのくらいまで制御できるかについて、今後注目していきたいと思います。

 来年の今頃、「Androidでウイルス大流行」とかいうニュースの見出しが躍らないといいのですけれどね。


ニコニコ動画の今後

2007-11-12 18:57:59 | Thinkings

 私は、一日に一度はニコニコ動画にアクセスする、いわゆる「ニコ厨」です。自分で言うとなんとも気恥ずかしいものがあるけれど、ウェブ巡回の最後は、必ずと言っていいほどニコニコ動画のランキングをチェックしています。

 そのニコニコ動画が、ある意味正念場を迎えています。
 何かと言えば「収益の黒字化」。当然のことながら、ずっと赤字を垂れ流しているビジネスは、どれだけ人気があろうと、どれだけ便利なサービスであろうと、端的に言えば「失敗」です。撤退していった後に、「惜しかったね」と語られて終わりなのです。

 現在、国内ではYouTubeを抜き去って、動画関連Webサービスの事実上トップに位置しているニコニコ動画でさえそんな状況なのですから、膨大なトラフィックを伴う動画ビジネスがどれだけ難しいか知れるというもの。
 YouTubeよりも高画質、高音質で勝負しようとすれば、それだけでもトラフィックは増大しますし、新しいサービスを上乗せすることも然りです。さらに、人気が出れば出るほど設備投資が必要になると言う悪循環さえ生み出します。ニコニコ動画が陥っているジレンマは正にそれです。

 そんな中で、ニコニコ動画は必死に黒字転換を目指しているわけですが、新たに一社、ニコニコ動画をプロモーションの場に利用しようとする企業が現れました。

 ニコニコ動画で「どんだけ~!」--エイベックス、コンテンツ提供を12日より開始 CNET Japan

 これはエイベックス・エンタテインメントがニコニコ動画に対して権利を許諾し、動画を提供するもの。ニコニコ動画内に専用ページを開設し、グループ会社の音楽配信サイト「mu-mo(ミュウモ)」にリンクすることで、CDやDVD、グッズなどの販売につなげる。

 正直なところ、のまねこ騒動の会社には全く興味がありませんが、コンテンツホルダー側からニコニコ動画に歩み寄りを見せているように見えて、大変おもしろいです。
 コンテンツホルダー側からすれば、ニコニコ動画でのマーケティングの成果がランキングやニコニコ市場など、目に見える形で把握しやすいのも一つの魅力かと思いますが、プロモーションにどれくらい効果があるかはまだまだ未知数です。双方とも手探りの状態であろう事は容易に想像できますが、ある程度の成果は出るのではないか、と楽観的に思っています。

 ニコニコ動画の知名度が一気に上がっていった半年前、当のニワンゴ代表である”ひろゆき”氏は「動画は来ていない」と言い切っていました。現に、まだニコニコ動画は赤字に甘んじ、サービスとして成功出来ていません。
 最近は時報を広告枠として売り出そうとするなど、新しい試みを続けているニコニコ動画。プロバイダの動画サービスのように後ろ盾がないニコニコ動画が黒字化すれば、たぶん、動画関連Webサービスは一気に飛躍することと思います。そのときこそ、正に「動画が来た」と言えるのではないでしょうか。

 ・・・早くそうならないと、経済的な理由で「ニコニコ動画が終わってしまう」ので、来年度の頭には、「そんな懸念もあったね」と言っていられるようになっているといいですけれど。


iPod touch 新ファームウェアでカレンダーイベント入力可能に

2007-11-11 23:00:36 | Technology

 ようやくというか、何というか。
 iPod touchの新ファームウェアで、とうとうカレンダーイベントが入力可能になるようです。

iPod touch ファームウェアv1.1.2、脆弱性修正、カレンダーイベント追加 Engadget japanese

今のところ確認されているのはやはりTIFFライブラリ脆弱性の修正、そしてカレンダーにイベントを追加できるようになったこと。iPhoneでできるのになぜかiPod touchでできないイベントの追加は「バグ」であるとされていましたが、ようやくtouch側からも追加・編集が可能になります。

 今までは、JailBreak、いわゆるファームウェアの脆弱性を利用したハックでしか実現しなかったカレンダーイベントの追加ですけれど、これでようやく公式にPDAの端くれとして使えるようになりました。

 SonyのClieが壊れ、手帳を無くした私が一番欲しかったカレンダー入力。touch単体での予定入力が出来ると知り、喜び勇んでJailBreakしたのは既報の通りですが、公式の対応を知った私は、とりあえずファームを1.1.1に書き戻し、アップデートに備えることにしました。
 iPhoneのときのAppleの対応を見て、少しでもつるつるの板になってしまうリスクを軽減するためです。なにぶんチキンなもので。カレンダー入力以外のインストールソフトに別に魅力を感じなかったので、今回の公式発表は単純にうれしいですね。やれやれ、一体何回WiFiの設定をやった事やら・・・

 Appleの精神が「退かぬ、媚びぬ、顧みぬ」なのかどうか知りませんが、とかく過去の互換性をバッサリやる傾向があります。新しいソフトウェアが過去のバージョンのOS Xに対応しないなんてのは普通らしいですから、当然iTunesも同じようなものです。
 iPod touchに対応したiTunesのバージョンにおいて、Windowsで同期がとれるスケジューラーはOutlook2007のみ。過去のバージョンはもちろん、USBストレージとして使えなくなった時点で、GoogleカレンダーやYahoo!カレンダーとの同期もとれなくなってしまいました。ですので、touchで予定を見ようと思ったらOutlook2007が入っているOfficeを買いなさい、と言うことだったのですが、その懸念はようやく払拭されたことになります。

 現時点(2007/11/11 22:55)の時点では、まだ新ファームの放流が行われていないようですけれど・・・時間差でやっているのでしょうかね。

 そういえば、以前、「Jobs氏のメール」として公開されていたGizmodeのジョーク記事に、

「ゲームについてはどうにもできないね…。カレンダーイベントの追加・編集ができないのはバグだから、そのうちソフトウェア・アップデートで直すよ」

なんて事が書かれていましたけれど、この時点で現実となってしまいました。・・・もしかして本物だったのかも。


Windows Liveサービスを使ってみた

2007-11-10 14:59:18 | PC

 2007年11月8日、Googleに遅れること1年ほどで、とうとうMicrosoftも無料のデスクトップスイートをリリースしました。

 マイクロソフト、無償アプリ・サービス「Windows Live」の正式提供を開始  日経トレンディネット

 マイクロソフトは11月8日、各種アプリケーションとオンライン・サービスで構成する無償サービス「Windows Live」について、正式版の提供を開始した。

 売りとしては、Windowsとの高い親和性。そして、Googleとの最大の差違は、やはりネイティブアプリケーションで、ほとんどの機能が提供されること。そして、それを最大限に生かしているのはWindows Liveメールです。

 Webでの使用を前提としていたGmailに比べ、Windows Liveメールは、ネイティブアプリケーションでの使用を前提としています。そのため、アカウント登録がカスタム化されており、より簡単に設定することが可能となっています。加えて、GmailをはじめとするPopおよびIMAPで設定が可能なメールアカウントを統合できるため、乗り換えと言うよりも、Windows Liveのメールアカウントを”追加”する形で、メールクライアントを乗り換えることになります。

 まあ、実際のところ・・・ThunderBirdの方が見た目シンプルでいいなあ、というのが正直なところですが、Liveのメールアカウントをネイティブで管理できるのはこれだけなんで、とりあえず使おうかな、と。使い勝手としては、ぶっちゃけThunderBirdとたいした違いなんぞ無いので普通と言ったところ。

 それよりも、気になったのはフォトギャラリーとLive Writer。

 Picasaの時系列順でしか管理してくれない融通の気かなさに絶望していた私としては、Windowsフォトギャラリーには心惹かれていました。ちょっと触ってみたところでは、Vista標準のフォトビューワーとそう変わらないな・・・と言ったところ。特に過不足無く、使い勝手も悪くありません。これから使い込んでいって、真価を確かめたいところです。

 もう一つ、Live Writerはブログ投稿用のネイティブアプリです。

 今まで何回も「戻る」ボタンやリンクを押してしまい、書きかけの記事をおじゃんにしてきた私としては、非常に有用なツールに思えます。また、ブラウザではなく独立したアプリケーションであることと、WYSIWYGエディタであることもポイントです。ワープロ感覚でログインの必要なく作業が出来るのは非常に楽ではあります。テキストエディタを使って書くことも出来ますけれど、コピペの手間とリンクなどの挿入が面倒という理由で導入していなかった私としては、渡りに船でした。

 この記事もLive Writerから書いていますけれど・・・やっぱり違和感がありますね。徐々に慣れるといいですが・・・

 結論から言いますと、Windows Liveサービスは、Hotmailと他社のメールアカウントの統合に興味があるか、MSNメッセンジャーを使っているか、Live Writerを必要としているか出なければ、導入の必要はありません。GoogleやYahooなど既存のサービスで満足している方は、現状を無理に変える事は無いでしょう。私は、GoogleデスクトップもGooRSSリーダーも導入していませんでしたから意味があったと思いますけれど、それでも絶対に必要かと言われれば、答えはNO。やはり、これからメッセンジャーなどを始めていこうという人にとって、優しい選択肢が一つ増えましたよ、程度で見ておくのが良さそうです。

とりあえず、Liveのインストールパックダウンロードのページをリンクしておきますので、興味がある方はどうぞ。