そもそも「バカフィルタ」ってすごい名前ですが、元々の英語がStupidFilterなんだから仕方がないですよね。
さて、Webを見回してみると、いわゆる”荒らし”や”スパム”がそこかしこにあふれているわけです。私のブログにもたまにスパムが張られますけれど・・・はっきり言って目にするだけで不愉快ですよね。そういう不快な文字列を排除すれば、今よりもネットは幸せになれる・・・かどうかは分かりませんが、ニコニコ動画のNG設定が、荒らしコメントに対して絶大な威力を誇ることからも、普通の人にとってはそうした方が気持ちよくネットを利用できるかな?とは思います。
しかしながら、ニコニコ動画みたいな閉鎖的なインターフェイスの中でならともかくとして、Web全体となるとなかなかそううまくはいかないもの。それこそブラウザにフィルタでも仕込まない限りは・・・そして、それはどうやら実行に移されるようです。
汎用「バカフィルタ」の開発始まる Slashdot
ようするに、spam対策等で使われるベイジアンフィルタ等の技術を応用して、spamのみならず「荒らし」や下品な表現、オフトピックな言論、ネットイナゴの類の自動検出を目指しているようである。
同じく、不愉快なモノを見ないためのスパムフィルタの技術をWeb世界にも広げようというこの試み。とりあえずはブログとかSNSとかのサービス運営元に実装してもらって、トラックバックスパムやコメントスパムを何とかして欲しい次第です。
・・・とは言え。
この手のフィルタの問題点として、やり過ぎてしまえばそれ自体が言論封殺の悪意のあるツールになってしまう可能性もあるわけです。例えば、いや本当に例えばの話、このオープンソース・フィルタの開発者が、「Windows」とか「Vista」とか「IE」とか「Microsoft」と言った単語を”NGワード”に設定してしまうと、フィルタをかけている人たちにはそれらのページが見えなくなってしまうわけで。さすがにそれはないとしても、中小企業の名前とか製品名をNGワード設定してしまうことで、それらの記事を見ることが出来なくなってしまったり、何でもない言葉が検索できなくなったりする・・・なんていう諸刃の剣だと言うことを認識しておく必要があるとは思います。
まあ、そういう懸念はやや大げさだとしても・・・ネットから特定の言葉を消し去ってしまうという試みは、ある意味で健全じゃない気もします。そもそもの話、絶対にその穴をくぐり抜ける「バカ」はいるでしょうしね。そうなると、巧妙なバカには効果が無く、必要な記事まで表示できない中途半端なものになってしまうことになりますよね・・・
Slashdotのコメントを借りてこれば、
人間が馬鹿除けを作ろうなど、おこがましいとは思わんかね。
と言うことですかねえ。とりあえず、アメリカでフェードアウトせず、日本語対応となったならそれなりに使えるツールと言うことで、導入の価値ありって事でしょう。果報は寝て待て。