Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

電子辞書よ、どこへ行く

2007-11-18 23:59:59 | Technology

 電子辞書というジャンルが出来てから、もうずいぶんと時間が経ちました。ちょっと調べてみますと、1979年11月にシャープが発売したのがはじめだとか。登場からすでに28年が経っている訳で、携帯電子デバイスの中ではだいぶ古参なんですね。

 WIndows95が流行った頃から、まだ10年ちょっとしか経っていない事からも分かるように、28年間と言いますと、コンピューターの世界では、それはそれは途方もない時間な訳です。それこそ、CPUの性能は32倍くらいになり、搭載メモリは200倍以上になり、HDDの容量は500倍くらいになりました。同じように、電子辞書についても、入っている辞書の冊数が、1冊から本棚いっぱいくらいになり、ムービーや図版が表示できたり、英語の発音が聞き取れたり出来るようになったのです。

 そして、ここからが問題。有り余るマシンスペックを無駄にしないため、電子辞書はいろいろな付加機能を取り込むという選択をしたのです。その結果、最新の電子辞書は、こんな事が出来るようになりました。

シャープ、ワンセグ対応で音声図鑑収録の電子辞書 ケータイWatch

 機能面では、スライドショー形式で閲覧できる「フォトスライド」機能、SDカード内の写真を電源ON時に表示する画像に設定できる機能、手書きで文字を認識する「手書きパッド」、ワンセグ視聴機能、MP3形式の楽曲再生機能などをサポートする。

 SDカード内の写真とMP3が再生できて、ワンセグも試聴できる。大画面且つ高精細のカラー液晶を搭載し、ネイティブスピーカーやクラシックの音源を再生できるチップの性能をうまく生かした付加機能ですね・・・って、本当にいるの?こんな機能。

 最近の電子辞書のターゲットの中で、割合大きな位置を占める中高生に向けての機能だと思うんですけれど、MP3とか写真の再生とかワンセグとかって、本来の電子辞書というデバイスからすれば、全くいらないどころかむしろ学習の邪魔になる機能ですよね。そりゃMP3は英語教材とかを入れておくという事も出来ますけれど・・・電池寿命をすり減らすワンセグは全く持っていらないと思います。

 それとも、メーカーは、電子辞書という名前を付けて親の購入障壁を下げ、中高生にはメディアプレイヤーというエサをぶら下げることで訴求力を高めるという戦法を採っているというわけでしょうか。

 市場的には停滞気味らしいのでiPodのライバルにはなれなさそうですけれど、デバイスとしては間違った意味でおもしろい真価を遂げている電子辞書。今度はキーボードを生かした、データを打ち込みやすいスケジュール管理とか、大画面を生かしたフルブラウザとWiFi、YouTube閲覧機能とかが付いてくるかも知れませんね・・・もっとも、そのときには”辞書”の二文字は消えているかも知れませんが。