Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

PC解説本の雄、倒れる エクスメディア倒産

2007-11-03 23:59:59 | PC
 例えば、PhotoShopを初めて使おうとしたときに、最初から使いたい機能をメニューから素早く探し出せる人は、たぶんエスパーか天才でしょう。まず、じっくり数分間はプルダウンメニューをとっかえひっかえし、その後の数十分は目的の結果が出そうな項目を片っ端から試していくというトライアンドエラーが必要でしょう。

「マニュアルを最初から読んだらいいじゃないか」
 そういう指摘はごもっとも。しかし、私の手元にあるPhotoShopCSの正規マニュアルには、フォトレタッチソフトにもかかわらず、文字ばっかりで図解がほとんどありません。そもそも、前ページモノクロですしね。
 そんな本なのに、厚さが2センチくらいあるんですから読む気にならないという。

 そんな時にはサードパーティに頼りましょう。世の中にはPhotoShopを始め、わかりにくいマニュアルが付いているソフトウェアの理解を助ける”参考書”が世の中にあふれています。

 その参考書の中でも、エクスメディアの本は割とお気に入りでした。特にPhotoShopとIllustratorのメニューマスターには結構お世話になったものです。そのほかの本は割と初心者向けのものが多かったのですが、内容的には非常にわかりやすいと感じたのと、何よりも値段が安かったので、初心者の方にはよく進めていたものですが・・・

 残念ながら、初心者向けの参考書だけでは無理だったようです。

IT書籍のエクスメディア倒産――負債は11億 RBB TODAY

 31日、エクスメディアは東京地方裁判所に自己破産申請を行った。負債は11億円としている。今後の処理については専任の弁護士があたっているが、管財人はまだ決定していない。

 エクスメディアは「超図解」シリーズなどが主力商品である出版社だ。同シリーズは、フルカラーのPC入門書の草分け的な存在だったが、IT系書籍や雑誌の市場が冷え込むなか、今回の自己破産申請に至ったことになる。


 やはり、インターネットの普及によって、本に頼らなくても情報が手に入りやすくなったと言うことでしょうか。
 私は、最近はオンラインヘルプや、ネット上のQ&Aを参照することが多くなりました。プログラミング関連だとリファレンスマニュアルは重宝するんですけれど、そこに載っている事を足がかりに、ネットでさらに情報を集めることも多いです。
 ExcelやWordだと、普通にヘルプ見た方が早かったりしますし・・・初心者が求めていることならば、周りの詳しい人に聞いた方が早いですから。

 PhotoShopなどのデザイン系は、図版で機能を紹介していくれる本のメリットが生かせますけれど、それ以外の分野では余り本であることの意義を見いだせなかったところが痛かったんでしょうね。

 たぶん、エクスメディアが切り開いた低価格入門書の分野は、他の出版社が素早く埋めていくとは思います。けれども、エクスメディアの本を持っている身として、そして元本屋の店員としては、あれだけ平積みにされていた出版社の本が店頭から消えていくのはちょっと寂しいですね。