Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ニコニコ動画の今後

2007-11-12 18:57:59 | Thinkings

 私は、一日に一度はニコニコ動画にアクセスする、いわゆる「ニコ厨」です。自分で言うとなんとも気恥ずかしいものがあるけれど、ウェブ巡回の最後は、必ずと言っていいほどニコニコ動画のランキングをチェックしています。

 そのニコニコ動画が、ある意味正念場を迎えています。
 何かと言えば「収益の黒字化」。当然のことながら、ずっと赤字を垂れ流しているビジネスは、どれだけ人気があろうと、どれだけ便利なサービスであろうと、端的に言えば「失敗」です。撤退していった後に、「惜しかったね」と語られて終わりなのです。

 現在、国内ではYouTubeを抜き去って、動画関連Webサービスの事実上トップに位置しているニコニコ動画でさえそんな状況なのですから、膨大なトラフィックを伴う動画ビジネスがどれだけ難しいか知れるというもの。
 YouTubeよりも高画質、高音質で勝負しようとすれば、それだけでもトラフィックは増大しますし、新しいサービスを上乗せすることも然りです。さらに、人気が出れば出るほど設備投資が必要になると言う悪循環さえ生み出します。ニコニコ動画が陥っているジレンマは正にそれです。

 そんな中で、ニコニコ動画は必死に黒字転換を目指しているわけですが、新たに一社、ニコニコ動画をプロモーションの場に利用しようとする企業が現れました。

 ニコニコ動画で「どんだけ~!」--エイベックス、コンテンツ提供を12日より開始 CNET Japan

 これはエイベックス・エンタテインメントがニコニコ動画に対して権利を許諾し、動画を提供するもの。ニコニコ動画内に専用ページを開設し、グループ会社の音楽配信サイト「mu-mo(ミュウモ)」にリンクすることで、CDやDVD、グッズなどの販売につなげる。

 正直なところ、のまねこ騒動の会社には全く興味がありませんが、コンテンツホルダー側からニコニコ動画に歩み寄りを見せているように見えて、大変おもしろいです。
 コンテンツホルダー側からすれば、ニコニコ動画でのマーケティングの成果がランキングやニコニコ市場など、目に見える形で把握しやすいのも一つの魅力かと思いますが、プロモーションにどれくらい効果があるかはまだまだ未知数です。双方とも手探りの状態であろう事は容易に想像できますが、ある程度の成果は出るのではないか、と楽観的に思っています。

 ニコニコ動画の知名度が一気に上がっていった半年前、当のニワンゴ代表である”ひろゆき”氏は「動画は来ていない」と言い切っていました。現に、まだニコニコ動画は赤字に甘んじ、サービスとして成功出来ていません。
 最近は時報を広告枠として売り出そうとするなど、新しい試みを続けているニコニコ動画。プロバイダの動画サービスのように後ろ盾がないニコニコ動画が黒字化すれば、たぶん、動画関連Webサービスは一気に飛躍することと思います。そのときこそ、正に「動画が来た」と言えるのではないでしょうか。

 ・・・早くそうならないと、経済的な理由で「ニコニコ動画が終わってしまう」ので、来年度の頭には、「そんな懸念もあったね」と言っていられるようになっているといいですけれど。