Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

サムスンが撤退した日本市場の異常さ

2007-11-09 19:51:02 | Thinkings
 あのサムスンが、日本市場から撤退しました。と言っても、個人向け小売りからなんですけれど、これは十分すぎるほどの衝撃です。

「日本メーカーには勝てなかったってことだ」

と、言い切ることは簡単ですが、サムスンは本当に日本のメーカーに負けたのでしょうか?

 この記事を見てみてください。

欧米では日本メーカー“圧倒”も──Samsung日本撤退の事情 ITmedia

 サムスンの薄型テレビは、「性能的には日本製に遜色(そんしょく)ない」(国内大手)。液晶とプラズマの両方式の世界シェアでトップグループに位置し、薄型ディスプレーの技術開発でも世界の先端を行く。販売価格も日本メーカー製よりも総じて安い。

 ある日本メーカー関係者は「あと数万円出せば日本製が買えるという消費者心理が影響している。かつての安売り攻勢で、根付いてしまった“安かろう悪かろう”というイメージも払拭(ふっしょく)できなかった」と解説する。


 記事中に書いてある「敗因」は、うまくブランドイメージを形成できなかった点とされています。
 つまり、サムスンは日本のメーカーに負けたのではなく、日本というマーケットに負けたのです。その点については、私も全面的に同意します。

 一方で、サムスンは欧米を始め新興各国でも、日本のメーカーを凌駕し続けています。桁が違う販売ラインによる価格攻勢と、日本メーカーに匹敵する品質から、他国では一流メーカーと見なされているためです。

 携帯電話市場でもそうですけれど、日本独自のマーケットに慣れてしまっている国内企業は、海外ではとたんに競争できなくなります。自動車メーカー各社はそうでもないようですが、デジタル家電では全く太刀打ちが出来ない状態です。
 
 つまり、下手に日本市場で「寡占」を続けてしまっている現状こそが、停滞を呼んでいるのだ、と私は考えます。
 そう、今回サムスンを「追い出した」けれど、「追い出した先」では完敗しているのですから。

 国内と海外では、そもそもルールそのものが違うのだと言うことを、たぶん企業側も分かってはいると思うのですが・・・

 今後、激化する世界的なマーケットで国内企業が生き残っていくために、私は、より積極的な企業の統合や提携が必要だと考えています。現在のように、何社もが国内のパイを取り合う状況を打破するため、より包括的な世界戦略を練るために、企業を集約して行かなくてはならないのではないかと言うわけです。

 まあ・・・Blu-RayとHD DVDで骨肉の争いを続けている内は、まあ、望むべくもない未来でしょうけれど・・・