Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

16万円の携帯電話

2007-11-25 15:20:25 | Thinkings

 「あると便利なもの」から「無いと困るもの」へのシフトが終わりかけている携帯電話ですが、ものとして一般化が進んでくると、価格に対しても消費者の目は厳しくなっています。ドコモの最新機種なんかは5万円とかする端末もあるにはあるのですけれど、ほとんどの人にとってはスルーの対象でしょう。

 一般的に、電子機器と言うのは高機能、多機能になると価格が高くなるものです。携帯電話の中で高機能、多機能なジャンルというと、やはりスマートフォンになりますけれど、その中で今年一番話題に上ったのはiPhoneでしょう。

 相変わらず日本での使用の目処は立っておらず、とりあえずiPod touchでお茶を濁しておりますけれど・・・アメリカ、ドイツではすでに販売が始まっています。ここで問題になっているのはキャリア限定の問題。アメリカではAT&T独占となっていますし、たぶん日本でもキャリアを限定して使用制限をかけることになると思いますけれど、欧州ではそうはいかなかったようです。

 と言いますのも、欧州では独禁法に対する考え方がかなり強固でありまして、「マイクロソフトもメディアプレイヤーやIEをWindowsに付属させるのは違法」という判断を食らっていたりします。・・・個人的にはそれによって受ける個人の不利益の方がだいぶん大きいような気もしますけれどね。
 今回のiPhoneもその例に漏れず、「単一通信キャリアでしか使えない端末は違法」となったわけです。それを受けて代理店のTモバイルはどういう対処を取ったかと言いますと・・・

独Tモバイル、「iフォン」16万円に“値上げ”・裁判所命令受け Nikkei Net

 携帯電話事業者の独Tモバイルは21日、同国内で米アップルの携帯電話機「iフォン」を999ユーロ(約16万円)で販売すると発表した。2年間の通信契約を条件に、9日に399ユーロで独占的に売り出したばかりだが、消費者の選択肢を狭めるとして裁判所が通信契約なしでの販売を命じたため、異例の“値上げ”措置を打ち出した。

 ちなみに、Tモバイルで使うときは399ユーロのままなんですって。そういう風にダンピング?することはどうやらありみたいです。

 この措置をやったときに、果たして16万円・・・つまり普通に買うよりも3倍近く高い金額出してまで、iPhoneを他社で使いたいと言う人がどれだけ出るんでしょうか?それに、専用サービスの制限もあるでしょうし・・・
 私にとっては、399ユーロ=6万4千円と言う値段も、携帯電話というカテゴリで考えれば十分すぎるほど高いと思いますけれどね。・・・touchに5万円出した人の言葉じゃないですか?そうですか。でも、16万円はどう考えても”無し”ですよ。今日日PCだって普及価格のものはそんなにしないし。

 ところで・・・そんなにiPhone使いたいですか?確かにインターフェイスは革新的だと思うけれど、今時3Gでもないし、冷静に考えれば、使用できる機能自体はそこまで目新しいものでもない。現状ではアップルのソフトウェアしか使えないし、そもそも、手探りで電話をかけることも出来ない。
 携帯電話として使うなら普通の携帯電話の方が遙かにいいし、電池の問題もあるから、音楽聞きたいなら別にiPod用意すればいい。その方が、たぶん費用も安く済むと思う。

 今後はこの事例を受けて、他国での販売形態にどう影響してくるのかが注目されるとありますけれど・・・もし、こういうやり方で売らざるを得ないとしたなら、私なら代理店には手を挙げないような気がします。果たして孫社長はどういった判断を下すのやら。