Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

天井知らずの石油価格 悪いのは・・・

2007-11-17 23:59:59 | Thinkings

 つい先日、ガソリンが150円に届いてしまい、月に数百円の上昇といえどがっくり来ているところですけれど、ここに来て、また来月5円上がるという追い打ちが来てしまいました。

 ・・・私が車に乗り始めた頃は1リットル100円くらいでしたので、都合1.5倍になっているわけです。そう考えるとここ数年でとんでもなく価格が上がっています。特にここ最近の値の上がり方はいかにも急で、何とも不自然ですが・・・一体何が原因でこんな事になってしまったのでしょうか?

 石油の需要増という面から考えると、中国や発展途上国における使用量の上昇によって、それらの国が市場に占める割合が増えたことで、先進国が割を食っていると言う点が上げられます。需要が高まれば価格はあがる。ある意味当然ですが・・・問題は、その市場原理を超えて、価格が高くなっていると言うことです。

 ではその要因・・・というか価格をつり上げている連中は何なのかというと、ファンドや先物ブローカー・・・いわゆる”投機筋”と言うやつです。

原油『100ドル乗せ』 熱い攻防 投機筋、買い仕掛け 消費国側は“冷却”に懸命 東京新聞

 関係者によると先週、原油先物が一バレル=九三ドルから一気に九八ドルを超え、一〇〇ドル寸前まで急伸したのもこうした投機筋が仕掛けた。ヘッジファンドや投資銀行は原油先物相場が一〇〇ドルを超えると予想し、一〇〇ドルで原油を買える権利を大量に取得。大台を超えて価格がさらに上がれば、権利を行使し、一〇〇ドルで買った原油を売って大もうけできるため、「大台乗せを狙い大量の買いを入れた」(業界筋)。

 簡単に説明すると、まず相場に関係なく100ドルで原油を買える権利を取得します。今後原油の取引価格が100ドルを超えた場合、差額がそのままファンドの利益になりますが、100ドルを下回った場合は権利取得に使った額の損になります。ファンドにしてみれば、100ドルを超えてもらわないと儲けられないわけです。

 つまり、一部の投資家のために、世界の原油価格が振り回されているというわけです。

 さらに悪いことに、価格高沸に加えて原油備蓄量の低下や、サブプライムローン問題によるファンドの鞍替えなど、原油取引に対する注目がますます高まっていることで、しばらく投資家の目は離れそうにありません・・・

 つか、明らかに公共の利益とか、国際社会に悪影響を及ぼしているこういう先物取引に対して、政治的介入とかしないんでしょうかねえ。いくら自由経済が建前とか言っていても、このまま価格が上がりすぎると”バブル”がはじけてしまうような気がしないでもありませんし・・・困るのは投資家だけでしょうからね。

 とりあえず、輸入国である日本が出来ることは・・・まずガソリン税を下げて、市場価格を抑えることが重要だと思います。一度縮小した市場はなかなか回復しませんよ?
 真面目な話、150円超えが数ヶ月続いたら、検討する必要が出てくるのではないでしょうか・・・