CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】猫が足りない

2017-09-30 14:20:03 | 読書感想文とか読み物レビウー
猫が足りない  作:沢村 凜

就職できない青年と、猫が好きすぎる主婦の
どたばた推理小説でありました
結構衝撃的というか、このテンションは初めて読む感覚だと
いくつかの事件があったけども
初っ端から驚いて、そのままぐいぐい読み込まされてしまった
面白い小説であります

サスペンスとミステリと、なんていう感じなんだけども
あまりそんな雰囲気を感じさせないで物語が進み
唐突に事件が発生して、それがあっという間に解決するというか
何も知らないで読んだものだから、
ああ、そうか、これ推理小説なのかと読みながら気付くという
刺激的な読書となったのであります
普通の現代モノ小説だと思ってたら、完全に裏切られたというか
事件がそれまでのテンションと断絶するほど衝撃的というか
いや、そんな死体が出てくるほどのものだとは
つゆとも思わず、振り回された読書となったのであります

猫が好きで仕方ない主婦が、
やんごとなき事情で猫を飼えないで生きているため、
そのフラストレーションを猫を救うという行為に発散させると
まぁ、そういう背景があるんだけども、
この猫を救うために、人を殺しかねないといった感じの危うさが
徐々に明るみに出るというか、露見してくるあたりで、
主人公が、犯罪だけはやめさせようと四苦八苦すると
ある種のドタバタコメディでもあったんだが、
そのドタバタのついでに、殺人事件や、誘拐事件なんかが解決されたりと
事件が主軸にないのに、ミステリとして成立しているのが
衝撃的だったと思うのであります
凄い面白いんだが、なんだろうかな、不思議な小説だった

と、そんなわけで、猫が出てくる系のまったり小説だと思ったら
そういうわけではない、なかなか楽しい一冊だったのであります
新しい作家さんを読むと、こういう刺激があってたまらんなと
改めて読書の楽しさを思い出したようでもありました


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