CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】スワロウテイルの消失点

2022-03-14 21:26:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
スワロウテイルの消失点  作:川瀬七緒

久しぶりの昆虫法医学シリーズであります
ちょっと前に発刊だと思うのですが、
機会がなくて読めていなかった一冊
今回も、どんなひどい目にあうのかと思っていたら、
若干ネタバレだけども、今回は赤堀先生じゃない人がひどい目にあってて驚いた
そういうパターンもあるのか

さておいて、警察の中でだんだんとチームの影響力を強めてきている赤堀班(違う)が、
技術畑の先生が大活躍というお話になっていて、
ほのぼのしつつも、相変わらず事件は悲しいというか、どうしようもない事件でありました
刑事ものではあるけども、局所的に強すぎる研究者というのが
あっちこっちに出てくるので、研究者気質っぽいもののやりとりが軽妙で楽しく、
今回は大人として、先生として、そんな感じで子供との接し方が出てきて
これも興味深いというか、このシリーズの面白いところだと感じるのでありました

初期の頃の素っ頓狂な女という印象は、
まぁ、今もって保たれているけども、
最近は、それよりも、したたかで頭のいい女という
やり手っぷりの方がクローズアップされてきていて、
怪しげな薬売りになったり、妙な魅力に事欠かない赤堀先生が実に素晴らしく
新しいキャラとのやりとりも楽しい内容でありました
やっぱり、アニメ向きなんだろうな
もっとも、アニメでちゃんと虫の動きかける人いないから、それも難しいんだろうが

タイトルからして、今回は珍しくチョウチョが主役かと思ってたら、
そっちじゃなくて、本当にツバメの方が主役だったのでちょっと肩透かしだったんだが、
このシリーズは、きれいな昆虫が絶対出てこないよなと
毎回毒虫めいたそればっかり出てきて、今回もそれを楽しまされたのでありました
しかし、台湾の蚊、凶悪すぎるだろう
何回か台湾旅行いって、確かに蚊は多かったけど、そこまでひどいのにあたったことないが、
気を付けないといけないわ

変人見本市でもないが、あんまり事件と関係なかった空き巣の
ふてぶてしい頭の良さというのも面白くて、
こういった輩が世の中多いんだろうなとも思うし、
また、そういうやつが、割とあっさりひどい目にあって、
しおしおするという場面が、なんとなし、胸がすくようでもあり
物語を暗くせず、楽しませてくれるところが
本当、読んでいて安心のシリーズだと思うのでありました

とはいえ、誰かが、必ずひどい目にあうので、そっちは気が抜けないんだが
もう、そういうお家芸みたいなもんだしなぁ
また、次の話が読めますように