CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】姑の遺品整理は、迷惑です

2019-11-13 20:52:39 | 読書感想文とか読み物レビウー
姑の遺品整理は、迷惑です  作:垣谷 美雨

あまりそりが合ったとはいえない姑の遺品整理をやる
お嫁さんの愚痴と、それで気付く人生の機微
なんていう感じの物語でした
ちょっと前に、定年した旦那が改心していく話と
似た感じではあるんだが、
人間誰しもそういうものだよなと、
年齢を重ねていたからといって、
様々なことを達観できるわけではない、
よいと思ったことが一元的なそれでしかなかったと
わかりやすい気付きにあふれたお話でありました

説明だけ、つらり、書いてしまうと随分説教臭い感じなんだが、
そこまでのことはなく、不平不満を並べつつも、
遺品整理はしなくてはならない、
その仕事に邁進するではないが、進めるたびに、
新しい姑の面が見えてくる、
それがよいこともわるいこともあって、
なんでも、軽々に決め付けるのは違うなぁと
なんとなし、思わされるような按配なのでありました

4階でエレベーターなしという
難儀な場所で、モノをタメがちだったという姑の
様々な遺品が、特に掘り出し物があるはずもなく
うずたかいゴミをどう片付けていくか
もう無理だと思ったときに、姑が築いていた絆でもないが
隣近所の人たちの助けがといった展開で、
最終的に残すべきは、物ではなく、人なのかもしれぬと
妙に考えさせられたりもしたのでありました

まぁ、死んで残るものというのは、
いいもわるいも無かろうかと
考えたりもするわけなんだが、
とりあえず、独り身の自分は身奇麗にしておかなくては
後の人が、どっちにしろ大変になってしまうと
肝に銘じるようにしたのでありました

時世がら、もう、所有するという概念が希薄になっていくのかと思うと
こんなごたごたも、後数世代でなくなってしまうのかと
断捨離を敢行しつつある人たちや、
終活なるものに精を出す人たちなんかも見ていて
考えさせられてしまったのでありました

こういう面倒は、ないにこしたことはないが、
あっても、それなりに思い出作りというか
色々、まぁ、生きてりゃなんとでもなるわなと
投げやりな感想で終わる