CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】桜ほうさら

2013-12-16 20:48:52 | 読書感想文とか読み物レビウー
桜ほうさら  作:宮部みゆき

近々、NHKでドラマ化するというので
あわてて読みました
宮部みゆきさんは、ずっとずっと以前に火車を読んで以来で、
時代物を手がけるようになったというか、
その方面でもご活躍と聞きつつも、
なんとなし、気が載らないで過ごしていましたが
今回、縁もあって読んだのでありました

内容は、大きく4編に分かれたお話で、
ある敵討ちにも似た様相の事件を追った内容、
個人的に、敵討ち物は大好きで、これに剣戟が加わればと
やたら期待してしまいましたが、
主人公は、やっとうの方はからきしというわけで、
なんというか、いつぞやNHKでやっていた、
妻はくの一に似た感じの主人公でありました

いろいろと曰くがあり、なかなか重たい過去を背負いながら、
それと向かい合うべきかどうかも、自分の心わからぬまま、
江戸で、その仇を探し、いや、探させられるといった
そんな具合でありました
当然のように、浪人よろしく、うらぶれた長屋住まいなので、
いわゆる江戸人情物のような風情もあり、
それでいて、少しばかりのロマンスというか
ヒロインが出てきて、なんというか、
恥ずかしくなるような、うぶいやり取りがいくつか
見られるというような内容、
主人公がへっぽこなため、勇猛果敢な殺陣は出てこないものの
クライマックスについては、やはり江戸物というか
それなりの斬った張ったがあって、
なかなか読みでのある内容でありました

ただ、しっくりこないというか、
結局、ある事件が解決していく様を追うわけですが、
その解決が、しっかり読み込んでいないせいもあってか、
なんというか複雑すぎてわかりづらい
なんともすかっとしたという、そんな腑に落ちた感じが
どうにもやってこないといった按配で、
あまり私にははまらなかった、非常に残念

とはいえ、嫌いなところばかりというわけではなく、
時代劇特有というか、お約束のような人、造詣は大好きで
ついつい読み続けて、少しばかり考えさせられて
そして、本当に大好物で仕方ない、
敵討ちのその意味を考えるということができると
なんだかんだ、楽しんで終えたのであります

もっとすっとするような敵討ちも見たいと想いつつ、
これもまた、敵討ちとは何かを考えさせられる内容で
いいのかもしれないと、なんだかんだ満足している次第でありました
ドラマが楽しみであります