CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

SかMか 体の闇がわかる本

2010-06-09 21:48:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
SかMか 体の闇がわかる本 著:団鬼六

そういう愛好家でもなければ、団鬼六先生の小説は
一本も読んだことがない恥ずかしいわたくしでありますが
キャッチーなタイトルながらも、
ふつうの読み物として面白いと聞いた
この本を読んでみたのでありました
ああ、面白かった、なんとすがすがしいことだろか

特段にいかがわしいことなんぞなくて、
先生がどうやってSMというものをとらえているかというか、
先生が、SMについて語るという感じで、
時折対談が入ったり、思い出話が入ったりしながら
その周辺機微みたいなのを教えてくれる
そういう感じでありました
SMとは何かということについては、思ったよりもふれられていないというか
大変わかりやすく解説されているから、
なんか、途方もない変態性みたいなのは
まるで見られることなく、なるほどなるほどなんて思ったりしつつ
爽やかに読めてしまうのが魅力でありました

幼少の頃、先生がSMを意識したという話が
最初のほうには書かれておりまして
まぁ、その内容がかなりショッキングで
やっぱり先生はすげぇ、つうか、怖ぇなんて
思ったりもしておりましたが、
読み進めていくうち、人間をSかMかにカテゴライズというのか、
まぁ、たぶんに偏見に満ちているというか
そりゃねぇだろうと思うような分別も混じっているんだけども
なぜか、投げてしまうような酷いことはなくて、
もしかしたらそうなのかなとか、あるいは、
笑いながら読み進められるような、これは文章力の違いなんだろうかと
感銘をうけたのであります

いずれも変態性について言及する部分は
ちょっと相容れないというか、すげぇとしか言いようのない部分もあったり、
全体から、まだまだというか、全く本当のところまでは
この文章では読み解けません、書いていませんよという
隠されているというべきか、伏せられたところを少しだけ感じるような
猫かぶった感が読みやすさを助けてくれます
とはいえ、実際に見たことあるハードなSM情景とかは
やっぱり、なかなか形容しがたいところはあるのですが
そこに催すという具合よりは、素直に感心するような
そういったことを感想として覚えるのであります

人間はSとMに分けられるし、
そのそも、SとMどちらももっているものだということ
その多寡みたいなのを制御するのか、できればうまくいくし、
できないと大変なことになったり、
もう変態になってしまうといったところが面白かったのでありました

何よりも、こういうタイプがSに多いといったような
よくある与太話みたいなのを、先生が大まじめにぶっておりますと、
ああ、思い当たる節があるなんて考えてしまって、
自分がどっちだろうかと、なぜか悩むとまではいわないけども
そわそわ、知りたくなってしまうという
そのあたりが、面白い本だったと、感じたのでありましたとさ